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東洋大学白山キャンパス8号館4階第33研究室

〒112-8600 東京都文京区白山5-28-20

成果一覧 real estate

 環境との共生を図るために、環境資源の保護管理手法についての調査研究を進めています。学位論文の環境アセスメントに関する研究を通じて得られた成果を踏まえながら、限界事例としての「動物にまつわる様々な問題や矛盾」を切り口にして、環境資源の保護管理の核心に迫りたいと考えているところです。

動物観(自然観)

愛護対象となる動物の範囲に関する考察

動物愛護の対象となる動物の範囲を考える一助とするために、動物の分類群別に愛護に係る意識の違いについて考究しました。具体的には、動物の分類群別に愛護に係る意識の違いを明らかにするために、各分類群から選択した知名度の高い動物種を対象として、動物愛護に関する態度に関するアンケート調査を実施・解析しました。
※「動物観研究」等

広井辰太郎(元東洋大学教授)の動物愛護思想に関する環境倫理学的考察

自然と人間とが共生する美しい地域づくりを推進するためには、自然環境資源の持続的な利用に関するパラダイムとしての適正な自然観の形成が必要であると考えられます。このため、自然環境資源の持続的な利用を支える基盤としての自然観のあり方を考究することを目的として、明治期以降の近代動物愛護運動の中心的人物であった広井辰太郎教授の思想について調査分析しました。
※「東洋大学観光学研究」等
 

我が国の鳥獣保護制度における鳥獣保護の考え方とその変遷に関する研究

我が国の鳥獣保護制度における鳥獣保護の考え方とその変遷について考究するため、鳥獣法等の法制度に見られる鳥獣保護の目的、対象及び手段等の変遷についての調査分析を実施しました。その結果を踏まえて、狩猟の規制から鳥獣保護の強化の方向へと法改正が重ねられてきたこと、農林業上の益性重視から生物多様性重視へと転換してきたこと、保護の対象は種や個体だけでなく地域個体群も含むものになってきたこと等を解明しました。 
※「ランドスケープ研究」等
 

日本人の動物観に関する考察

 野生動物についても愛玩動物と同列に情緒的な対象として扱いがちである等といった日本人の動物観の特徴についての検討結果を紹介するとともに、このような自然観が野生動物の適確な保護管理の遂行上の障害となるおそれがあることや狩猟の衰退を招いている現状等について言及しました。そのうえで、今後は、日本人の動物観を、動物愛護管理基本指針(環境省)に示された動物愛護管理に関する基本的考え方に即したものに変えて行く必要があること、また、野生動物の個体数調整の方式等についても動物の個体に対する情緒的感情を排した適切な内容に変えて行く必要があること等を指摘しました。
※「日本野生動物医学会誌」等

動物の保護管理法制

動物愛護管理法の改正

平成17年に行われた動物愛護管理法(環境省動物愛護管理室長として法制作業に従事)について調査分析し、その実態を明らかにするとともに、この法改正が行われた社会的・政治的背景について考察しました。また、その結果等を踏まえて、動物愛護管理のより一層の充実に資する観点から、対象動物に応じて変化する動物愛護の形の理念の整理、「動物愛護管理」理念の再構築、日本の社会風土にあった動物愛護管理の模索等の必要性を指摘しました。
※「獣医畜産新報」「改正動物愛護管理法Q&A」等

ワイルドライフ・マネージメント(鳥獣法の改正)

ワイルドライフ・マネージメントを実行に移すために、平成10年に鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(鳥獣法)が改正され、特定鳥獣保護管理計画制度が創設されました(環境省鳥獣保護業務室の室長補佐として法制作業に従事)。人と野生鳥獣とがお互いに我慢しながら共存するためには、野生鳥獣が極端に減りすぎたり、極端に増えすぎたりしないようにコントロールすることが、「人間」と「野生鳥獣」の両方のために好ましいと考えられたためです。この法改正に当たっての制度設計の背景や課題、社会的・政治的な問題、今後の方向性などについて調査分析をしました。
※「環境研究」「鳥獣保護法の解説」等

愛玩動物

        

ペットツーリズム論(寄附講座:平成24年度秋学期〜)
 寄付者:公益社団法人 日本愛玩動物協会  ※予定

ペット関連事業が観光・旅行業界においてニュービジネスとして注目されている状況にかんがみ、将来的に観光・旅行業界などで活躍することが期待されている国際地域学部国際観光学科の学生を対象に、ペットの同伴宿泊ホテルやドッグラン等のペット関連施設の計画・設計及び管理運営、環境倫理学(人と動物の関係学を含む)、動物関係法令、動物の生理生態や習性等に関する講義が実施されます。これにより、観光・旅行業界における当該事業の適切な推進を担うことができる人材の育成が図られることが期待されます。この講義の受け入れ責任者として、講義の企画・実施に協力をしています。
 ※東洋大学は近代動物愛護運動の発祥の地です。

公益社団法人 日本愛玩動物協会

日本で最大規模の会員数を誇る愛護団体です。昭和54年に設立されました。人と動物が幸せに共生していける社会の構築を目指して、主に「愛玩動物飼養管理士」の養成等による愛玩動物の適正飼養に関する普及啓発事業、大学等の研究者に対する調査研究助成事業などを行っています。本協会の第4代会長として、各種の普及啓発業務に対する協力等を実施しています。
 http://www.jpc.or.jp/

全国ペット・ツーリズム連絡協議会(H25〜)

ペットとの同伴宿泊旅行等の需要が増大しつつある現状にかんがみ、ペット・ツーリズムのより一層の拡大と適正な推進を図るため、産官学民の連携・協力を図りながら、観光の振興及び適正飼養の普及に資することを目的として、関係者が相互に連絡調整や情報交換を行うための会議です。本会議のメンバーとして、会の運営に対する協力をしています。 http://www.jpc.or.jp/ptm/

★主な参加団体等:東洋大学、(公社)日本愛玩動物協会、株式会社西武ホールディングス、アドホック株式会社、藤田観光株式会社、休暇村協会(予定)、アニコム損害保険株式会社など

※オブザーバー参加:環境省自然環境局動物愛護管理室、東京都福祉保健局健康安全部環境保健衛生課

ペット・ツーリズムの適正推進ガイドライン(H26)

本ガイドラインは、ペット・ツーリズムの利用者及び事業者の多様なニーズに応えながら、ペット・ツーリズムの適切な推進及びペットの福祉の向上を図るために、ペットツーリズムに出かけようとする飼い主の心構えなどと、ペット・ツーリズムの主要施設であるペット同伴宿泊施設及びドッグランの2種類の施設の望ましい整備内容を示したものです。
近年、ペットツーリズムが盛んになりつつありますが、飼い主とペットを迎え入れる観光レクリエーション施設の実態については、各種の課題や問題点が存在します。これは、飼い主のニーズやペットの生理・習性等が十分に理解されないままに、売り手側の事情を中心に施設の整備やサービスの提供がなされていることが主な原因であると考えられますが、適正飼養の確保を含めて、利用者のニーズを質的・量的に満たすことができるような供給がなされているとはいえない状況が散見されています。このような事態に適切に対応できるように、本ガイドラインをとりまとめたものです。。

ペットとのふれあい活動のためのハンドブック(H27)

生命尊重及び友愛の精神に満ちた「やさしい社会(道徳的社会)」の実現が求められているところですが、この実現に当たり「ペット飼養を通じた情操の涵養」は効果的な手段の一つであると考えられます。
このため、ペットとのふれあい活動の推進方法に関するマニュアルとして「ハンドブック」を作成しました。

実験動物

特定非営利活動法人 動物実験関係者連絡協議会 
              

動物愛護管理法に盛り込まれた3Rの原則を踏まえた適正な動物実験実施のより一層の推進を図るとともに、動物実験に対する一般市民の理解の促進に図るために、平成24年に設立された団体です。動物実験の社会的意義に関する不断の情報提供は、動物実験関係者のみならず一般市民の社会的合意の形成に役立つとともに、誤解に基づく動物実験反対運動への適切な対応も可能ならしめると考えられています。動物愛護を推進する観点から、動物実験関係者における3Rの普及・浸透方策に関するアドバイスを実施してきました。

実験動物の福祉のあり方

日本の動物実験に関する制度のレビューを行うとともに、環境倫理の知見を踏まえた日本の動物実験に関する法制度の制定の背景や理念、今後の課題等についての考察を展開しました。また、環境倫理学の知見を踏まえ、実験動物の福祉向上の検討の一助とするために,動物愛護管理法における動物の実験利用の位置づけ,実験動物の福祉向上と動物実験の適正化の考え方等の相違等について論説するとともに,各動物実験施設における実験動物の福祉の現状に関する環境省調査の結果について考察しました。
※「環境変異原研究」「6th World Congress on Alternatives and Animal Use in the Life Science」等


野生動物

ファオナ&フロラ調査の精度分析

確認率の高いファオナ及びフロラ調査の実施に必要な条件等を検討するために,確認率と調査方法との相関関係等について分析し,動植物の分布調査の精度の向上及び適正な調査方法の確立の一助としたものです。実際に現地において,ラインセンサス手法により鳥類及び高等植物を対象としてファオナ及びフロラ調査等を実施し,データの分析や結果の考察を行いました。その結果,調査時期や時間帯,調査所要時間,調査者(調査能力)等と確認率との相関関係が定量的に明らかにされました。また,確認率を100%にすることは労力等の観点から現実的に困難であるため,残存する不確実性を補償する各種手段の検討が必要であると考えられました。
※「ランドスケープ研究」「東京大学農学部演習林報告」等

猟区の利用者数の規定要因の研究

鳥獣法に基づき設定されている猟を利用する狩猟者数の規定要因について考究するため、猟区の利用状況、猟区の設定状況及び特性、猟区利用者や猟区設定者等の意向についての調査分析を実施しました。その結果を踏まえて、捕獲総数や県内の狩猟人口との相関の高いこと、捕獲率やアクセシビリティ等の要因にかかる猟区の選択理由等を解明しました。
※「ランドスケープ研究」等