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  • A 固定化技術

     細菌の機能を最大限に活用するため、寒天のような高分子ゲルの内部に細菌を高密度に固定化し利用する方法を開発しています。(図A1)
     この細菌を閉じ込めたゲル(包括固定化担体)を排水処理装置(生物処理装置)に投入します。細菌はゲルの内部で生息し、汚濁成分はゲルの内部に透過して行きます。 そしてゲル内部の細菌によって汚濁成分は分解(浄化)されます。この担体内には細菌が高密度に保持されているので、排水処理装置に担体を投入するだけで、排水の浄化能力を大幅にアップさせることが可能です。(図A2)
     細菌を固定化する担体は、様々な素材・形状が開発されており、各担体の特性についても評価しています。

    図A1

    図A1 細菌をゲル内部に固定化する包括固定化技術

    図A2

    図A2 包括固定化技術を用いた排水処理装置

    詳細紹介

    B 硝化・脱窒

     窒素成分の多くはアンモニアとなり、排水処理工程で処理されます。このアンモニアは最終的に窒素ガスとして、空気中に放出されることが無害化ができます。
     アンモニアの処理方法としては、細菌の力を利用した生化学的硝化・脱窒法という方法が用いられます(図B1)。この反応では、硝化細菌によりアンモニアを亜硝酸を経由して硝酸まで酸化します(図B2 硝化槽)。 この硝酸排水を酸素の無い反応槽(図B2 脱窒槽)へ移動させると、脱窒細菌が硝酸の酸素を呼吸に利用するため、窒素ガスが放出されます。
     このプロセスの効率化では、異なる細菌が、各槽に住み着いてもらうため、担体に付着させて固定化するなどの対策が有効で、担体の選定や、各細菌の活性が向上する要因の解明を行っています。

    図B1

    図B1 生物化学的硝化・脱窒反応

    図B2

    図B2 硝化・脱窒プロセス

    詳細紹介

    C アナモックス

     新しい窒素排水の処理方法として、アナモックス反応を利用した窒素処理プロセスの実用化が進められています。この反応では、アンモニアの約半分量を亜硝酸に酸化し、生成した亜硝酸と(未処理の)アンモニアを利用して窒素ガスへと変換します(図C1)。 この方法では硝化・脱窒法の約半分だけアンモニアを酸化するため、この分の動力コストを硝化・脱窒法に比べ半分に削減できます。
     アナモックスプロセスでは、アンモニア半分量を亜硝酸に酸化します(図C2 亜硝酸型硝化槽)。このアンモニアと亜硝酸の混合排水を、アナモックス反応槽(図C2)へ移動させると、アナモックス細菌がアンモニアと亜硝酸の窒素を結合させ窒素ガスへと変換します。
     このアナモックス細菌は極めて増殖が遅いため、担体に高密度に保持する方法や、活性を高く維持する方法について研究を行っています。

    図C1

    図C1 亜硝酸型硝化およびアナモックス反応

    図C2

    図C2 アナモックスプロセス

    詳細紹介

    D 化学物質分解

     化学物資の中には、通常の細菌では分解し難く、有害な化学物質があります。それらを環境中に放出すると、長期間残留し、生息生物や我々にも影響を及ぼす恐れがあります。
     1,4-ジオキサンは、近年排水規制が導入された化学物質で、発ガン性が疑われ、通常の細菌では分解できない化学物質です(図D1)。当研究室では、1,4-ジオキサンを分解する特殊菌を発見し、これらを利用した排水処理に関する研究を行っています。 1,4-ジオキサン分解菌を利用することで、約20mg/Lのジオキサンを排水基準値(0.5mg/L)以下まで安定して処理することが可能です(図D2)。
     様々な化学物質を分解できる未知の微生物資源の探索と、その活用方法を研究しています。

    図D1

    図D1 1,4-ジオキサンの特性

    図D2

    図D2 分解菌による1,4-ジオキサンの処理

    詳細紹介