基本アプリケーション

 ここでは、大学でおもに使用する(だろうと思われる)アプリケーションソフトやオペレーティングシステムについて述べる。

グラフィックユーザーインターフェース(ウインドウとデスクトップ)

 たとえばwindowsパソコンに電源を入れて起動すると、しばらく時間が経過した後でデスクトップ画面になる。マウスを動かしたりタッチパッドに触れて、どれかのアイコンにポインタを合わせ、ダブルクリックすると、プログラムが起動し、新しいウインドウが出現する。このような「絵とポインタによる操作方式」をGUI(Graphics User Interface)という。

 ポインタとカーソル(Cursor)は異なる。ポインタは一般名称で、カーソルは下位概念。ワープロ文章のなかに、ポインタを動かし、クリックすると、点滅する縦棒がある。それがカーソル。文字挿入位置を示す。古いMacintoshでは、マウスボタンはひとつである。右クリックができない。そんなときは、コントロールボタンを押しながらクリックすればよい。

 GUIでない方式には、CUI(Character User Interface)がある。つまり、「中身を表示しろ」とか「プログラムを動かせ」などは、キーボードから命令(コマンド)を入力するのである。一般ユーザでなく、プログラム開発者には好まれる。GUIやCUIを総称して、UI (user interface)という。

 ひとつのOSの中で、UIは、好みに合わせて切り替えることができる。WindowsのCUIには、MS-DOSが用意されている。スタートボタンから、プログラム→アクセサリ→コマンドプロンプトを選択する。参照「MS-DOSの使い方」。Mac OS X以降のCUIには、tcshが用意されている。Application→Utilityを選択し、terminalソフトを起動すればよい。参照「Unix OSコンピュータ」。

 さらに、ひとつのパソコン上に、複数のOSがあれば、便利なときもある。たとえば、MacintoshユーザがWinのゲームを使いたいとき、MacintoshのパソコンでWindwos OSを走らせればいい。商品名(Virtual PC)を使うと、Macintoshパソコンで、各種のWindows OS(98,NT,2000, Meなど)を走らせることができる。ただし、メインメモリーは莫大に必要だが。もちろん、PC/AT互換機(日本ではDOS Vパソコンというらしいが?)でも、複数のWin OSが走ります。しかし、今のところWindows上で、Mac OSを走らせることは無理でしょう(2001年現在)。

 さて、GUIに戻ろう。みかけは「机のうえ(デスクトップ)」のイメージである。机のうえに、さまざまな書類(ファイル)やフォルダーがおいてある。もちろんゴミ箱もある。これをデスクトップメタファー(比喩)のGUIという。

 デスクトップメタファーでないGUIには、3次元空間を模した方式が考えられる。何もない空間上に、建物が浮かんでいる。そこに近付いて、ドアを開けて中に入ると、中身が見える。レバーをひねるとプログラムが動き始める。仮想空間技術が必要である。

 現在、デスクトップメタファーの使用方法をもつパソコンOSには、WindowsとMacintoshがある。Linuxには、x-windowシステムやさまざなGUIがある。

 机上の書類をカーソルでつまんで移動したり、ダブルクリックして、中身を表示させたり、プログラムを起動したりする。起動するまではダブルクリックだが、いったんソフトが動き始めると、シングルクリックでOKという暗黙の傾向がある。

 書類が多すぎると分類して整理したくなる、そのための入れ物をフォルダー(folder)という、しかし、Unix系のOSでは、ディレクトリー(directory)という。日常生活では、directoryは住所録や電話帳のことである。まぎらわしい。

 パソコンを動かすには、まずパソコンに電源を入れなければいけない。電源ボタンは、ふつう本体の全面や側面や後側に、それらしいものがあるので押せば良い。しかし、まれにキーボードに電源ボタンがあるものもある(Macintosh)。

 Windowsパソコンを終了するには、画面左下の「スタートボタン」を押して、それから「終了する」。終了するために「スタート」ボタンだから、まぎらわしい。ディスプレーの電源は自動的に切れるはずだが、まれに古いタイプのパソコンでは手動で消さなくてはならないものもある。

オペレーティングシステム(Windows、Mac OS)

 オペレーティングシステムは、さまざまなアプリケーションを使用するときに、簡易な操作で効率的に仕事ができるようにするための環境を提供するものである。画面表示や印刷やデータ連携などとともに、さまざまなバックグラウンドの処理を行なっている。WindowsやMacintosh以外のOSとして、Tron、Amiga、Linuxがある。坂本健一さんが提案したTRON仕様には3種類あるが、そのうちのB-Tronは、パーソナルメディア社によって実現され、「超漢字」として販売されている。また、i-TRONは携帯電話に使われているリアルタイムOSである。
参考:超漢字 http://www.chokanji.com/
参考:Amiga http://www.amiga.com/

 デスクトップ画面は特殊なものです。パソコンでは、フォルダー階層のなかに実体ファイル(プログラムやデータ)を配置してゆく。しかし、デスクトップは、別個の特殊な存在である。たとえば、Windowsでは、MyComputerのなかのひとつのフォルダーにdesktopというのが見えるが、それは起動時にみえるデスクトップの一部にすぎない。desktopフォルダーにないファイルも、起動時のデスクトップに表示される。Macintoshにも実はdesktopフォルダーが存在し、内蔵ハードディスクのなかの第1階層にある。しかし特殊なフォルダーなので、「部分フォルダーとして見る」ことはできない。ただし、たとえばMacintoshをインターネットのサーバとして使用するときには、/Macintosh HD/Desktop Folder/file.htmlなどとパス名を指定することができる。

 デスクトップには、ファイルの実体を置くことができる。しかし、それを削除すると、そのままでは復活させることができない。したがって、なるべくなら、ここにはショートカットアイコンだけ配置するのが、作法である。Macintoshで、Windowsのショートカットに対応するものは、エイリアス(alias:別名)である。アイコンだけが複製されるので、本体はフォルダー階層のなかにおいておき、エイリアスをデスクトップにおいておくと、削除の心配はない。また、ウインドウ表示はリスト表示や、ポップアップ表示、リスト表示のいづれでも可能である。

 MacintoshのApple純正マウスにはボタンがひとつしかない。Windowsの右ボタンに相当するのは、基本的にはControl+クリックである。

アプリケーション1

メモを書く(メモ帳、SimpleText)

 20行程度の短い日本語文章を作成するなら、大袈裟なソフトは必要ない。パソコンにはメモを書くプログラム(Windows:メモ帳、Macintosh:SimpleText)が付属している。Copy & PasteやCut & Pasteやdrag & dropを体験できる。

エディター(mac: JEdit、win: Peggy, Akira32, 秀丸エディタ)

 プログラミングのためには、それ専用の文書作成ソフトがある。簡易なワープロみたいなものだが、プログラミングに適した機能をもっている。たとえば、命令語の推測挿入、括弧の整合性チェック、見やすく表示する自動インデントなどの機能がある。

かな漢字変換

 日本語入力には、Windows OSにはIMEが、Mac OSには「ことえり」がついてくる。また、商品としては、ジャストシステム社のATOKがある。こういうものをFEP (Front End Processor)という。

アプリケーション2

 比較的個人向けのアプリケーションを紹介する。

パッケージソフト(win: MS-Office、mac: AppleWorks)

 ここで紹介するのは、ワープロ、表計算ソフト、作図ソフト、プレゼンテーションソフトである。これらは、単体で販売されることもあるし、複数を一枚のメディアにパックして販売されることもある。

 Microsof社には、MS-Officeというパッケージがあり、その中には、ワープロ(Word)、表計算(Excel)、プレゼンテーション(Power Point)などが入っている。Macintosh対応版もある。

 Apple社には、AppleWorksというパッケージがあり、ワープロ、表計算、作図ソフトが入っている。

 これらは、互いに連係して使用する。表計算ソフトで数値表を準備してから、それをワープロに取り込むなどする。

ワードプロセッサ(ワープロ)

 ワープロはもちろん文書作成のために使用する。すでに高度の機能をもつワープロが出現している。文字の形(フォント)や大きさ(フォントサイズ)の設定やアンダーラインなどの文字飾り、スペルチェック、禁則処理を行なう。文書のなかに静止画や表計算はもちろんのこと、動画や音声を貼り込むことができる。また、ボタンを貼り込み、そこをクリックするとインターネットに接続して、ホームページを見せることもできるようになった。

 ワープロは思考の道具である。私は、アウトライン表示を使っている。まずキーワードや断片的な文章をまず、どんどん書いてゆく。そして、それらの素材を並べ替えて構造を作りながら書いてゆく。うまく構造化できないときは、そこに論理的ジャンプがあるのだから、そこを埋めてゆく。全体から見て、詳細すぎるときは、その部分を削除する。新しくひらめいた文章を加える。繰り返してゆくと文章全体ができあがる。

 電子メールにワープロ文書を添付して、だれかに送付し、添削・校正してもらうこともできる。Microsoft Wordには、コメント機能がある。範囲選択し、コメントすると、選択部分が赤くなっている。そこにポインタを置くとコメントが表示される。

 かな漢字変換機能とワープロ本体の機能は別のものであることに注意すること。ワープロ本体の機能とは、たとえば、禁則処理や文章配置機能や印刷設定、マルチメディアの張り付けなどのことである。禁則処理とは、日本語文章の行頭、行末の文字表記の規則のことである。行頭に句読点や、小さな「つ」を置いてはいけない。行末に“ 「 ”を置いてはいけない。

 かな漢字変換機能は、キーボードからローマ字入力したひらがな文字列を漢字まじり文字列に変換するものである。同音異義語の処理が命である。かな漢字変換機能が自分の好みに合わないときは、変更することができる。しかしながら、変更した場合には、自動校正機能(correction)などの連携プレーができなくなるかもしれない。

 普通に保存すると、他のソフトでは読めない形式で保存されるだろう。他人に文書やデータを渡すときには、その人がもっているソフトで読めるように、別の形式で保存してあげたほうがいい。たとえば、MS-DOSテキスト形式なら、だれでもそれを読むことができる。どんなワープロソフトでも、MS-DOS形式で保存することができる。しかし、「文字列」として保存されるだけなので、文字の大きさや文字飾りなどの情報が失われる。それに対して、PDF形式なら、Acrobat Readerという無料ソフトでだれでも読めるし、インターネットで公開することもできる。しかし、PDF形式として保存するには、そのためのソフトが別途必要である。

 安全のため、10分に1回は保存しよう。初期設定で自動的にできるはず。またバックアップをとっておこう。また、ハードディスクが壊れたときのために、別のメディア(別のHD、フロッピーディスク、CD-R、DVD)にもバックアップをしておこう。参照「ハードディスク
 参照「文字コードと文書の問題

作図ソフト(Paint系、Draw系)

 ワープロソフトにはすでに作図機能が組込まれているだろうし、次項で説明する表計算ソフトのデータを取り込めるので、新たなソフトを導入することは必要ないかもしれない。社内報告書に使用するような文書では、円や四角や多角形などの基本的な図形が描ければいい。図表なら、四角形と直線だけがあればいい。そんなときに、作図ソフト(作図機能)が必要である。

 2つの描画形式がある。Paint系では、図形を点の集まりとして扱う。画面を拡大し、点をひとつひとつ修正すると、細かな表現が可能である。しかし、図形単位の移動ができない。Draw系では、円や四角の図形を最小単位として扱う。四角の後ろにある円だけを移動して配置変更することができる。しかし、こまかな表現が苦手である。

 どちらにしても、マウスやトラックパッドで、芸術家が絵筆で書くような丸みのある正確な絵を書くのは難しい。デジタル芸術家になりたい人は、スキャナーやタブレット板を使うかもしれない。

表計算ソフト

 表計算ソフトを使うと、見栄えのよい、数値を含む業務向け文書を作成することができる。画面に格子状の線があることが、見た目の特徴であり、その隙間(セルという)に数値や数式や文字を記入してゆくことで仕事を行なう。マイクロソフト社のエクセル(Windows、Macintosh)がある。

 重要なのは、再計算機能である。2+3=5であるが、2を7に変更すると結果は10になる。これを自動化してくれる。たとえばパソコン+プリンタ+インターネット接続ケーブルの見積もり書を作成し、パソコンをグレードアップすると全体の値段もあがるはずである。文書の一部の数値を変更しても、自動的に全体の計算をしてくれる。

 また2Dや3Dのグラフ作成機能を使って、全体の傾向を見やすく表示することもできる。また、目標追求機能といって、全体がこの数値になるには、部分がどんな数値になっていれば良いのかを提案(goal seeking)するものもある。

プレゼンテーション

 会社における会議や営業マンの商品説明にはプレゼンテーションソフトが欠かせない。学生でも、学部ゼミ研究発表大会や大学院の論文発表大会などで、ノートパソコンを画面の拡大装置に接続し、大勢の前で発表する。そんなときは詳しい日本語は必要ない。表題とパンチのあるスローガンが目立つのがいい。要点を数行づつ羅列し、説明する。クリックすると、つぎのページが表示される。そんなふうに使うのである。PowerPoint for mac & win, MagicPoint for unix。

アプリケーション3

 ここでは、会社の業務や研究に使用されるアプリケーションを紹介する。

カード型データベース

 たとえば、就職すると1年間で200名くらいの社会人と知り合いになることもある。そんなときに、住所録ソフトがあると便利である。個人の年賀状の宛名印刷をしたり、人脈データベースとして使用することもできる。これは、印刷機能と検索機能が命である。

データベース

 データベースを個人で使用することはまれである。しかしながら、これは会社の基幹業務に使われる、もっとも重要なソフトウエアである。製造会社なら商品一覧表、部品構成表、苦情リスト。小売業なら商品名、入荷数、入荷時刻、売り上げ数、在庫数、そんなものは全てデータベースにして保管しておこう。

 データベースが重要なのは、それが今すぐあるいは後で、分析資料として役に立つからである。在庫が少なくなれば注文して入荷しなければならない。では、どの商品を何個注文すればいいのか?ひとつの車には無数の部分品が必要である。では、1000台の増産のためには、どの部品を何個そろえればいいのか?そういうときに必要なものは、まず何はなくとも、データベースが必要である。

 データベースの最も重要な機能は、あつまったデータを組み合わせて、あらゆる論理的な視点から検索・表示できることである。

 Unix:InterBase、win:MySQL、mac:Filemaker?
 参照:データベース言語SQLについて

統計分析

 そもそも統計をとるには「何のために」「どのようにして」データを集めるのかについて十分に考えて置かねばならない。たぶんインタビューをしたり、アンケートを(紙やメールやWebで)とるだろう。そして、データが集まれば、分析が始まる。たとえば、市場の成長予測(需要予測)に使う。

 統計分析ソフトでは、クロス集計をしたり、標準偏差(偏差値)や相関係数を求めたりすることができる。統計学の世界である。  ソフト:PC教室のパソコンには、SASまたはSPSSがある(はず)。  参考:社会学部メディアコミュニケーション学科授業「SPSSによる統計情報処理」

会計ソフト

 会計ソフトは、簿記・経理のための入力・表示・印刷の機能からはじまり、現在では財務諸表の表示・印刷までをこなす多機能なものに成熟している。社員2名の小企業でも、会計ソフトくらいは使いこなそう。

 大企業向けに、インターネットを利用した会計サービスもあるが、最初に紙の帳表から入力するのは、人間である。商品名「勘定奉行」なんてのもある。