コンピュータの構造


3つの視点 ハードウエア構成、ソフトウエア階層、動作(アルゴリズム)の視点から理解すること。

MPU (micro processor unit)

 パソコンの心臓部はMPUチップである。これは5cm四方の小さなシリコンウエハのうえに印刷された電気回路(集積回路)である。これが組込まれた本体のことを、CPU (Central Processor Unit)という。昔は、MPUチップのことをCPU(中央演算装置)と呼んでた時代もあったので、古い書物を読むときは注意しよう。

 また開発者たちは、単に「石」と呼んでいる。「そのパソコンの石はなに使ってるの」などと使用する。大学のレポートや卒論には使わない方がいい。

互換MPUチップ(インテル:ペンティアム、モトローラ:PowerPC、AMD:アスロン)

 今のところ(2000.8.29)、Macintosh OSが動くのはMacintoshパソコンだけである。しかも、MacintoshのMPUは、ただひとつIBM社+モトローラ社のPowerPCである。しかし、Windows OS向けのパソコンでは複数のハードウエアの選択肢があり、しかもMPUも複数の選択肢がある。インテル社のペンティアムやAMD社のアスロンといった互換性のあるものである。選択肢があるから安く買えるという消費者のメリットがある。

MPUアーキテクチャー(低消費電力設計ARM:StrongARM、トランスメタ:Crusoe)

 携帯機器が発達するにつれて、MPUの構造(設計思想)が低消費電力や画像処理に適したものに変化しつつある。特にノート型パソコンには、バッテリーの持続時間が長いのがよい。省電力MPUが必要である。

周辺装置(Peripheral)

 周辺装置とは、プリンタやスキャナーといった機器のことで、有線や無線で本体(CPU)に接続して使用するもののことである。掟:外部接続の周辺装置から電源をいれる。パソコンから先に電源を切る。

インターフェース

有線(SCSI、USB、FireWire[i-link])

 音声入力、モニター出力、SCSI、USB、FireWire[i-link]などの端子が本体にあるだろう。SCSI ( Small Computer System Interface)。

 音声入力端子が本体にあるなら、そこにマイクを接続する。サンプリング設定は、44KHzが標準である。音声入力端子がない場合はUSB対応マイクを用意すること。最近のマイクは雑音を緩和して、クリアな音にする機能がつけられているものもある。

 周辺装置を本体にケーブルで接続するために、接続ジャックの形状やケーブルの太さ、巻き方に規格がある。USBよりもFireWire (IEEE1394)規格の方が早いので、デジタルビデオデータはFireWireで転送することになっていたが、USB2になってほとんど同じスピードである。

 IEEE1394をLANとして使う手法は,インターネット技術の開発組織「IETF」(Internet Engineering Task Force )が開発した「IP over IEEE1394」である。この技術はインターネット標準の一つに位置づけられており,1999年12月にRFC2734という文書で公開された。すでにIP over 1394を実装する製品もある。例えばNECのパソコン「simplem」。1999年10月にIP over 1394のドライバ・ソフトを装備した。最大400Mbpsで多重転送ができる。

 アナログビデオの取込みには、間にビデオキャプチャー機器をかませる必要がある。NTSC信号(欧米ではPAL規格)で接続し、キャプチャーし、(たとえばmpeg4に)圧縮することになる。

無線(赤外線、Bluetooth)

 キーボードと本体がケーブルで接続されておらず、赤外線でデータ転送する方式IrDAもある。

 パソコンとパソコンやデジタル携帯機器の間で赤外線でデータ転送する場合がある。PalmというPDAは、名刺交換するとき機器を近づけてデータ交換する。

 最近では低価格の短波ワイヤレス技術によるデータ転送が注目されている。Bluetooth方式は、まだ業界団体によって策定中である。

 参考:東芝Bluetooth http://k-tai.impress.co.jp/news/2000/07/27/bluetoth.htm

パラレル接続よりシリアル接続になる

 データ転送方式の上記の分類よりも、もっとおおまかな分類である。シリアル接続では、ひとつの線にデータが時間の順序にそって転送される。パラレル接続では、データが複数の線に並行して転送されるの転送速度が早いことになっていた。技術の進歩により、シリアルでも、今は十分に早い。USBやFireWireはシリアル接続である。

 外付けモデムは、RS-232規格のケーブルで接続していた。これはシリアル接続である。

 USBが標準となる以前(1999)には、Macintoshのプリンタはシリアル接続、Windowsのプリンタはパラレル接続であった。

デバイスドライバとプリンタ

 新しいプリンタに入れ替えたとき、ケーブルを接続するだけではプリンタを利用できない。本体のOSにプリンタドライバーというソフトを組込まなければいけない。プリンタドライバーは、プリンタに付属してくる。たぶんCD-ROMがプリンタと同梱されているはずであるから、これをパソコンにインストールすることになる。

 周辺装置を操作するために必要な、このような小さなソフトを総称して、デバイスドライバーという。周辺装置を接続するには、かならずデバイスドライバーを必要とする。

 しかし、あらかじめOSに組込まれているものもある。ふつう、内蔵ハードディスクや内蔵CD-ROM/DVDドライブを動かすためのドライバーやマイクやスピーカのドライバーはOSに組込まれている。

入出力装置(ペン入力、音声入力、スキャナー)

 キーボードとマウスによる入力・操作に慣れてきたら、そろそろ音声入力を試したくなる。レポートを書くのにワープロを利用するが、そんなとき音声で入力出力ができると、なんだか楽しそうな気がする。

 日本語の音声入力出力:すでに手許にある文書を読み上げる市販ソフトは、たとえば商品名:ドキュメントトーカ(for Win & Mac)がある。音声認識(音声入力)は、商品名:日本語ViaVoice (for Win & Mac)の場合、USB対応マイクがついてくる。どちらも、値段は1万円位。参考:Speech技術 http://www.speechworks.com/

 英語の音声入力出力:英語の読み上げソフトはOSに付属している。Mac OSには、English Text-to-Speech機能拡張があるので、SimpleTextで英語の文書を読み上げる。また日本語音声出力ソフトは、たいてい英語も読み上げることができる。英語の音声認識(音声入力)は、商品名:ViaVoice (for Win & Mac)。

 ペンや指先で画面に接触して、パソコンを操作するには、タッチパネルという薄い膜を、画面の表面に張る必要がある。これはペンや指先の圧力を感知して、画面のどの位置にあるのかを計測するものである。

 銀行のATM装置の画面を指で押すと、ふさわしい反応をする。画面の表面にはタッチパネルという、透明なパネルが張ってあるからである。画面を指で触ると、その位置が分かるようなしくみである。ペンで文字を入力するには、さらに精密なパネルが必要である。携帯情報端末にはキーボードがないので、小さな画面の表面にパネルが張ってある。「開始点、方向、終了点」のストロークを感知しながら、文字を推測する。

 カメラで人間を監視しながら、ジェスチャーを理解してくれる入力装置も研究されているが、実用段階には至っていない。たとえば、親指をたてて右に移動させると、ダブルクリックだと理解する。

 手書きの絵をパソコンに読み取らせるにはスキャナーという光学読取り装置を使う。これは、光を3原色に分けて、それぞれの光の強さを計測するものである。参考書のなかの、あるページを引用するとき、キーボードをたたいて、その文章を入力するのはかったるい。その本をスキャナーのうえにのせてドットデータとして入力し、OCR (Optical Character Reader)ソフトで文字認識させれば、ワープロに文字を書き込む手間が省けるように見える。しかし、認識能力の低いものでは、誤認識文字の修正に手間がかかる。教科書などの活字は、文字がしっかりときれいなので認識率は高いが、手書き文字の認識は、非常に難しい。

 ちなみに、はがきや封筒の郵便番号読み取り機は、手書きの数字を認識しているが、これは数字というわずかな記号の区別をするだけなので、まあなんとかいっている。

 もうひとつ、ちなみに、入学試験のマークシートは、OMR (Optical Mark Reader)で読み込んで、デジタルデータにしている。

入出力装置(仮想現実:HMD+触覚グローブ)

 Virtual Realityは仮想現実(仮想現実感)と訳される。自分が異次元の世界にいるような気がする。

 異次元世界を見るには特殊なめがねが必要である。めがねを大きくしたような透過式で、現実と重ね合わせる方式のものがある。ヘルメットのように、頭にすっぽりとかぶるものは、Head Mounted Displayという。ゴーグル状のものは、face mount displayと呼ばれる。ゴーグルなどを使用するとき、現実の世界にCG映像を重ねて表示する、複合現実(MR: mixed reality)というのもある。
参考:inViso http://www.inviso.com/
参考:eMagin http://www.emagincorp.com/
参考:オリンパス光学 http://www.olympus.co.jp/

 人間がコンピュータに指示を与える入力装置としては、触覚グローブがある。手袋に無数のセンサーを組込んでおくのである。また、センサーを組込んだスーツを着るという方法もある。

 デジタル映像を作成するとき、人間の動きをそのままデータとして取り込みたいときがある。そんなときは、多数の光源を身体に張り付けて撮影する。暗い部屋のなかで、光が動くのをカメラで撮影し、その光の3次元座標を計測するのである。これは入力装置というよりも計測装置である。

外部記憶装置(ハードディスク)

 HDDは1GB、2GBは当たり前。カートリッジ式の記憶装置(Zip Drive、光磁気記憶装置MO)もある。USB直結型のガムサイズ記憶装置/切手サイズ記憶装置もあり、持ち運べるようになった。近頃(2002.2)では、プリンタや外付けハードディスクさえ、Ethernet接続や無線接続の傾向がみられる。LAN対応ハードディスクはNAS (Network Attached Storage)とも呼ばれ、複数のパソコンから共有できる。

 ときどきハードディスクが壊れることがある。特に4年生が卒業論文提出直前にハードディスクがクラッシュすると悲惨である。4万字の論文が消えてなくなるのである。日頃からバックアップしておく習慣を身につけておこう。別の場所に、複製を保存しておくのである。

 ひとつの論文(報告書)くらいなら、フロッピーディスク1枚(1メガバイト:1MB)に納まってしまう。

 しかし、時が経てば、デジカメ写真は貯まってくるし、インターネットでプログラムを収集したり、音楽データを貯めてくると、フロッピィーディスクでは足りなくなってきている。そこで、CD-RやCD-RWに焼くことになる。もっと増えると、もうひとつハードディスクを買ってきたり、DVDに保存することになるだろう。

 とにかく、安全を期してバックアップするには、少しくらいの投資を惜しまない方がいい。お金をケチってもいいが、必ずすること。10MB位までなら、インターネットの無料サーバにアップロードするという手もある。ダイヤルアップなら電話代だけがかかる。常時接続なら無料だ。

CD-R/RWで焼く(読み書き速度、ソフトとハードが別)

 ハードディスクは安くなったが、かさばるし、複数のドライブを用意するわけにはいかない。そこでメディアの安いCDにデータを焼き込むことになる。ドライブは3万円弱、メディアは200円以下。ここらへん(3万円)が学生にとっての限界かも。CD-R対応の内蔵ディスクドライブならラッキーだ。

 CD-Rは書き込みだけなので安い。音楽CDを複製するときは、たとえ少ない曲数でも一枚まるまる複製することになる。CD-RメディアをCDプレーヤに挿入して、音楽を鳴らすことができる。テキストファイルなどデータ保存のためには、同じディスクでも「消去&追記可能モード」で焼くことができる。これなら、すこしづつ書き込むことができる。不要なファイルを消すこともできる。しかし、やっぱりその部分を焼いて消去するので、書き込み容量がだんだん少なくなってくる。

 Windowsでの自動起動テクニック:まず、ダウンロードサイトより、execute.exeを入手する。Autorun.infファイルに、OPEN=execute.exe index.htmlなどと書き込んでおく。3つのファイル(execute.exe, Autorun.inf, index.html)をCD-Rに焼き込む。すると、自動起動ディスクができあがる。このCDをWindowsパソコンに挿入すると、自動的にブラウザが起動し、index.htmlファイルが表示される。

 CD-RWなら、不要なファイルを含めて、1枚まるごと初期化もできるし、再び書き込む(rewriteする)こともできるので便利だ。ただし、このメディアに音楽CDをそのまま複製しても、CDプレーヤで音楽を再生できない。聞くには、パソコンとCD-RWドライブが必要である。

DVD

 DVDドライブ内蔵型のパソコンを持っていればラッキーだが、現在は外付けドライブもメディア(DVDディスク)もまだ高価だ(2002年度)。DVD-ROMは再生専用、DVD-Rは焼き込みできる。DVD-RWとDVD-RAMは、ともにrewriteできるが、2つの形式に互換性はない。
 映画はDVD-ROMに焼かれて売られている。リージョンコードに注意しよう。著作権の権利関係から、世界を地域に分けて、各地域に数字がつけられている。米国は1、日本と西欧は2である。したがって、西欧からの輸入DVDは日本のマシンで再生できるが、米国直輸入の映画DVDを、日本のマシンで再生できないのである。無理に米国DVDをみるには、「リージョンフリー化」する必要があるが、これは違法である。
 映画をみるための専用DVDプレイヤは、当然DVD-ROMの映像を再生することができるが、多くのプレイヤはDVD-RWに(それなりに記録された)映像を再生することもできる。しかし、DVD-RAMのデータを再生することはできない、と言われている。

小型記憶装置

 メモリースティックなどの超小型の記憶装置がでてきている。

増設機器

メモリーの増設(SIMM、DIMM、、、)

 ワープロを起動し、作図ソフトを起動し、インターネットに接続してホームページをみたりする。複数のプログラムを起動すると、「メモリーが足りません」とパソコンがいう。

 現在(2000年)では、パソコンの普及モデルを購入すると、主記憶メモリーの容量は64MBであろう。画像処理、ビデオ処理には不足である。できれば128MBにしたい。そんなときは増設メモリーを買ってきて自分で取り付けることになる。

 自分の持っているパソコンの機種に応じて、対応したメモリーを販売店で購入するしかない。なにが対応しているのかは、店員に聞くしかない。

バス規格:PCI、ATA(マザーボードや内蔵HDの取替)

 インターネットブラウザを起動しても、なかなかウインドウが出てこない。ビデオ編集の作業が遅い。それはたぶんMPUの処理速度が遅いのである。現在は、クロック周波数500MHz以上のMPUでないと満足なスピード感が得られない。そんなとき、内蔵ハードディスクやマザーボードを取り替えたくなる。内蔵部品の取替である。

 タワー型のパソコンなら、本体裏面のふたをはずして、部分品を取り替えることができる。タワー型でなくとも、機械音痴でなく、かつ詳しい友人がいれば、できるかもしれない。がしかし、壊れても修復できなくても、あくまでも自己責任である。趣味の世界である。改造するより、新品を購入した方が安いこともある。無難でもある。

 内蔵部品の改造で注意すべきは、バス規格と電力である。外付けの周辺装置と異なり、内部はPCIやATAといったバス規格に支配されている。また規格が正しくてもパワー不足にならないように注意すること。相性の問題が大きい。2001年以前のATA( UltraATA )は、パラレル接続だったが、2001年8月にシリアル接続のSerial ATAが策定されている。

新型コンピュータ

OSの変化

 Apple社は、2001年にMac OS Xを公開した。これは、BSD系UnixのGUIである。中核OS部分を除いて、オープンソースである。したがって、Gnuなどのフリーソフトを含む既存の多数のunixプログラムを動かすことができる。Unixソフトの開発者たちにとっては、新しいGUIが増えたことになる。

 しかし、アップル社が、いったいどうやって儲けるつもりなのかは不明である。アップルがOSを販売するときは、お金をとっているが。依然としてハードウエアを売ることに基盤をおくのであろうか?

 Microsoft社は、.NET戦略 へと変化しようとしている。ネット上には、さまざまな商用サービスが提供されている。これらを組み合わせると、もっと使いやすい新しいサービスが創出できるはずだ。最近のWWWの話題は、XML (Extensible Markup Language)などで「ネットでスマートな商用サービスを提供する」ことに変化してきている。Microsoftは、そのために必要なプラットフォームを提供してゆくことにしているようだ。

 一応Windows XPというOSを販売しているが、それはひとつの選択肢にすぎない。これから出てくるだろう複合ネットサービスとプラットフォームが利用できれば、どんなOSでもかまわないのである。ただし、2001年には、選択肢はひとつWindows XPしかなかったが。
 参照「WWWの動向」。

バイオ/ナノ・コンピュータ

 DNAコンピュータ http://www.olympus.co.jp/Special/Olp/Info/n020128.html
 有機物(タンパク質)を利用したコンピュータ。参考:神沼二真『バイオコンピュータ』xxxx。
 有機分子を利用したコンピュータ。Lucent社は、チオール分子を使ったトランジスタでMPUチップを実験。
 伝導性プラスチックを利用したコンピュータ。白川英樹氏のノーベル賞受賞成果を利用して、超小型計算機を作れるかも。

量子コンピュータ

 量子効果を利用してコンピュータを作ろうとしている。
 参考:HotWired検索「量子コンピュータ」
 参考:シミュレーションソフト http://www.senko-corp.co.jp/toc.html