研究テーマ Research

生活支援分野 Assistive Technology

  • 立ち上がり補助のためのアシスト手すりの開発
    立ち上がりをアシストする,動く手すりの開発と評価を行っています.

  • リハビリテーション用ハプティックデバイスの開発
    上肢の運動機能・認知機能の訓練・評価のための,ハプティックデバイスの開発を行いました.

  • 筋ジストロフィー患者のためのユーザインターフェースの開発
    ゲーム機のコントローラの操作が難しい筋ジストロフィー患者のための,パソコンを用いたインターフェースの開発を行いました.

  • 拡張現実感(AR)を利用した住宅改修支援システムの開発
    介護保険を利用して住宅改修を行う際のトラブルを避けるために,要介護者,ケアマネージャ,施工者間の改修イメージを直感的に共有することができる拡張現実感を用いたシステムを開発しました.

  • 自動販売機のユーザビリティ評価
    様々な人が利用しやすい自動販売機の操作部等の配置について,高齢者,車いす使用者,リウマチ者らに実験に参加してもらい検討を行いました.

  • 視覚障害者のためのホーム転落防止システムの開発
    視覚障害者にホーム端を知らせる,転落防止システムの開発を行っています.

  • コミュニティ・カフェの研究
    高齢者が孤立せず社会とのつながりを持てるような居場所づくりについて研究を行っています.

  • 高齢者のみまもりに関する研究
    高齢者世帯,独居高齢者らの暮らしの見守りについて研究を行っています.

医用分野 Medicine

  • 内視鏡手術のための吸引式鉗子の開発
    ESDやNOTESといった内視鏡手術で使用する,新しい鉗子の開発を行っています.

  • 血糖値自己測定器のデザイン・ユーザビリティ評価
    糖尿病患者らが使用する血糖値測定器のユーザビリティ評価と,それを元にした新しい測定器のデザインを行いました.

  • 皮膚水分量,pH,油分に関する研究
    アトピー性皮膚炎患者と健常者の,皮膚水分量,pH,油分の比較を行っています.

モビリティ分野 Mobility

  • 移動制約者のためのパーソナルモビリティビークルの開発
    高齢者や長時間の歩行が困難な人のための,一人乗りの小型の乗り物を開発しています.公共交通機関と組み合わせて,行動範囲を拡大します.

    ※以下の研究は,公益財団法人JKAの研究補助により行われました.
  • リハビリテーション用自転車シミュレータの開発(平成23年度)
    脳卒中のリハビリに関する要望の一つに,再び自転車に乗りたいという訴えがありますが,設備,セラピストの数,安全の確保の観点から実施は容易ではありません.しかしながら,再び自転車の運転を可能とすることは,単なる機能回復の実現に留まらず,移動手段を確保することで自立を促し,生活の質(QOL:Quality of life)を向上させることができると考えます.そこで,脳血管障害者が安全に自転車の運転訓練を可能とするリハビリ用自転車シミュレーの開発を行いました.

    自転車シミュレータ外観


















    自転車シミュレータ外観



    シミュレータ表示例










    実験時の模擬視界映像の例1












    実験時の模擬視界映像の例2




    模擬走行環境内を走行し,自転車シミュレータの動作確認を行いました.ペダルの回転角に対する計算上の後輪回転角度や,ハンドル舵角に対する位置や姿勢の計算結果は妥当であり,有識者らによる模擬走行の結果,ペダリングの感覚,ハンドル操作に対する模擬視界映像の追従などは,ほぼ実車と同等 であるとの意見を得ましたた.有識者のひとりであった作業療法士の方からは,「障害の程度から考えると,とても自転車には乗れないと思われる患者であっても,退院後に自転車に乗っているという事例をよく見る.高齢者など,下肢筋力が低下している人や,関節痛がある人にとっては,歩行よりも自転車での移動の方が,関節や筋にかかる負担が少ないので,利用する人が多いようである.自転車に乗るためのトレーニングと同時に,自転車に乗れるかどうかの判定に有効ではないかと考える.」 とのコメントを頂きました.


  • 自転車シミュレータを用いたリハビリ・評価プログラムの開発(平成25年度)
    本研究では,平成23年度に開発を行った脳血管障害者が安全に自転車の運転訓練を可能とするための,リハビリテーションやその評価を行うためのプログラムの開発を目的とし,運転評価の指標となるパラメータについて検討を行いました.
    脳血管障害の既往歴のある65歳以上の高齢者を対象として,若年健常者や健常高齢者との比較を行いました.下表にブレーキ反応時間の例を示します.被験者5と壮年健常者以外は反応時間が1秒以上となっています.被験者5は多少麻痺が認められるものの,日常的に自転車に乗っておられる方でした.一方の被験者3,4,6は,日常的には自転車に乗られない方々でした.
    この他に直線走行,クランク走行実験を行いました.下図に高齢者のクランク走行実験時の軌跡の例を示します.直線走行においては,積算ハンドル操舵角速度/平均速度,クランク走行においては,基準となる方向の変化との差を積算した値が運転操作の評価パラメータとして用いることができる可能性があるとの結論を得ました.


    ブレーキ反応時間

    被験者番号

    3

    4

    5

    6

    壮年健常者

    目標位置通過時間(秒)

    41.136

    40.736

    27.408

    44.384

    27.968

    ブレーキ操作開始時間(秒)

    42.160

    41.760

    27.968

    45.536

    28.416

    反応時間(秒)

    1.024

    1.024

    0.560

    1.152

    0.448




    高齢被験者クランク結果

    高齢被験者の走行軌跡例










    脳血管障害者が安全に自転車の運転訓練を可能とする,リハビリテーション用自転車シミュレータの評価を行うためのプログラムの開発を目的とし.運転評価の指標となるパラメータについて検討を行いました.開発した自転車シミュレータは,単に障害された機能の回復を実現するだけでなく移動手段を確保することで日常生活の自立を促し,生活の質を向上させることができると考えます.





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