機械工学科 機械工学実験�供複廓�春学期）
「ロボティクス・メカトロニクス」のテーマ
Practical work on robotics
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Last update on 2001-05-25
まえがき
平成12年度は，この実験テーマは金曜日の午後2コマだけで行われましたが，
（その説明はここ）．
しかしながら平成13年度から開始された実施予定の新カリキュラムの移行を考慮して，
平成13年度は，実験２を金曜午後2コマを2週続けて行うことになりました。
時間が倍に増えた分，内容の量も質も上げることができますが，
2週間にわたるために作業が一旦停止してしまうという弊害もあります。
（ちなみに，平成11年度までは金曜終日4コマ使っていました）．
そこで，レゴを使った実験は1年の「エンジニアリング・プラクティス1」に譲り，
実験2ではより内容の濃いものに変更しました。
そこで使用するのが，
システムワット社の
ROBOCUBE という科学おもちゃです．
これは，レゴに考え方が似ていますが，立方体 (cube)
の組み合わせでいろいろな形を作ることができます．
専用のプログラミング環境もついており，
レゴよりも，よりコンピュータ利用色が強いのが特徴です．
値段もそれなりにします．
それぞれの立方体（ブロック）は，
- センサ・ブロック
- 光センサ・ブロック
- 超音波センサ・ブロック
- タッチセンサ・ブロック
- アクチュエータ・ブロック
- ライト・ブロック
- モータ・ブロック
- ブザー・ブロック
- コントローラ・ブロック
などの機能を持っており，それらを自由に組み合わせることができます。
組み合わせて作成したブロック群は，コントローラ・ブロック経由で
パソコンからその挙動を制御することができます。
そのときに使用するのは，
- タイル言語と呼ばれる言語を使った専用の開発環境
- Visual Basicや Visual C++ などのMicrosoft社の開発環境
です．まずはタイル言語を用いますが，
より細かい指定をしたい場合には，VBなどを使うことになります．
実験の目的
そのガイドにしたがって遊んでいるだけでは
大学生の実験テーマとしてはふさわしくありません．
科学的な視点からおもちゃを解析してみるという視点が必要です．
これを主目的とします．
具体的には，センサ処理の視点，アクチュエータ処理の視点，
動作アルゴリズムの設計といった視点で見てみましょう．
これによって新たな「ものの見方」を得て，
哲学の大学である東洋大学の学生としてふさわしくなりましょう．
もちろん，創意工夫をすること，
グループで議論しながらものを作り上げることにより共同作業を体験することも
目的としています．
実験の手順
- 解説をよく聞き，ROBOCUBE 自体と，
開発環境であるタイル言語の使い方を理解する。
- 個々のブロックを計算機から利用して，機能を理解する．
- １つのセンサ・ブロックと１つのアクチュエータ・ブロックを
組み合わせて，ロボット的要素を実現する．
- 複数のセンサ・ブロックと複数のアクチュエータ・ブロックを
組み合わせて，ロボット的要素を実現する．
- 作成したものについて科学的な視点で評価する．
評価・考察の例
評価の仕方は，科学的な視点を持ちさえすれば特に限定しませんが，
例えば次のような視点で評価するといいでしょう．
いろいろな視点で評価し，深く考察すればするほどいいレポートとみなします．
メカトロニクス的な視点の例
- センサ情報はどのように制御にフィードバックされているのか
- センサやモータの応答はどうか．測定精度や発生トルクは十分か．
- 超音波センサを始めとして，内部構成はどうなっているのか．
どのような原理に基づいているのか．
センサ信号同士の干渉はないか．
- ブロック間は LON といわれる通信ネットワークで通信している．
通信速度は十分か．接続ブロック数に制約があるのはなぜか．
ロボティクス的な視点の例
- センサ情報はモータの運動を決定するためにどう処理されているのか，
そのロジック（論理関係）をフローチャートに表してみよ．
- センサの種類や信号の形式が変わったらどうしたらいいのか．
- より複雑なロジックを実現するにはどうしたらよいのか．
- 開発環境のユーザインタフェースはどうか．使いやすいか．機能は十分か．
レポートに書くべきこと
- ROBOCUBE の概要（取扱説明書他，下記Webを参照のこと）
- 作成した作品の設計思想，機能，構造の説明
- 科学的な視点による考察
これらはグループで共同で一つのレポートにまとめます．
さらに
- ROBOCUBE自体に対する感想・提案
- 実験のやり方に関する感想・提案
を各自で加えて，レポートを提出してください．
実験実施後１週間以内に実験担当者に提出し面談を受けます．
場合によっては追加修正を指示されるかもしれませんので，そのつもりで．
参考
ROBOCUBEの開発元 システムワット社
Edited by
Akihiro MATSUMOTO