2007年春学期  
 

科目名
学年
受講人数
評価
備考
行列と行列式
36
中間テスト+期末テスト合計点  
行列と行列式演習
68
ロボット製作+レポート  
ロボティクス入門
95
出席点+試験 9人の教員でオムニバス形式
ロボットのための微分方程式
140
中間テスト+期末テスト,レポート点  
プロジェクト研究III
133?
出席点+発表,レポート 3人で担当
システム制御
3
81
中間テスト+期末テスト,レポート点  
制御特論
15
レポート  
 ・行列と行列式はテキスト2章までで,従来どおり.
 ・行列と行列式演習も従来どおりの内容.βクラスの進行との調整が難しい.
 ・プロジェクト研究IIIは,企画段階.後半は,教員が一人6グループを分担して面談.なんとか,形になってきたか?という段階.グループによって進度の差はある.とても面白い発想もある一方,学部生が製作するには非現実的なものも多い.どこにポイントをおくか,というアドバイスが重要.事前の企画書チェックはかなり時間を割いたが,昨年よりも体系的な進み方になったと思う.
 ・微分方程式は,昨年と同じ内容だが,人数が多く,広い教室を使用したため,後ろに座っている学生には目が届きにくかった.そのせいか,中間テストで,全く勉強してきていない白紙の学生が30人ほどいて衝撃的だった.その時点で放棄した学生も何人かいたが,そのままの姿勢で期末に臨み,結局0点だった学生も目立った.ただし,しっかり勉強している学生も多く,複数の学生が期末テストは満点であった.登録者に対して,合格者は5割強(0点答案も含め,放棄が多い).あの広い教室で数学を行うのは無理がある.
 ・システム制御は,中間テストをやった段階で,ボード線図が理解できておらず,惨憺たる結果.そのため,予定を変更して,中間テストを再度行った.すると,多くの学生はしっかり復習をしてきて,満点を取っていた.そのとき感じたことは,テストでショックを受けない授業をしよう.ということ.期末テストは,手書きノートと電卓の持込を可とした.出来が良かった.中間を二回やったこともあり,最終的な結果は,全体的に高評価となった.
 ・制御特論は,Mathematica,Matlabを用いた.古典制御から現代制御までの内容をダイジェストで演習中心で説明した.次回は,演習テキストを作ったほうがいいだろう.最後の課題は,しっかり制御を学んでいない学生たちにとっては難しいようだった.


◆2007年春学期 「行列と行列式」γクラス 授業日程
内容
ポイント
授業の進め方について テキストは「理工系の入門線形代数」
評価は中間,期末テスト.出席点は加算しないが出席は取り,再試を行うかどうかの基準に使う(=出席が2/3未満の人には再試はしない).
行列とは何か 行列とはどんなものか.船の進む向きと座標,回転行列の例で理解する.行列の表記法を理解する.
行列の演算(1) 行列の和,スカラー倍,積の演算を理解する.スカラーの計算との違いに注意する.
行列の演算(2) 行列のべき乗,転置を理解する.演習問題を行い,前回の分も含めて,行列演算を身に付ける.
正方行列 正方行列の特殊なもの(対角行列,単位行列,対称行列,交代(ひずみ対称)行列)の定義を覚える.
正則行列 正方行列の中で,正則行列と直交行列について理解する.
演習 行列の演算,種類についての演習問題を解く.演算法を身に付ける.
中間テスト テキスト第一章
行列式 2×2行列の行列式,3×3以上の一般的な行列の行列式計算を理解する.行列式が工学で必要になることも覚えておく.
行列式の性質 基本演算(行の入れ替え,足し算)について理解し,行列式を楽に求めよう.
10
逆行列 2×2行列の逆行列,3×3以上の一般的な逆行列の計算を理解する.特に,逆行列の分子部分の配置に気をつける.行列式=0だと正則ではないことを理解しよう.
11
連立方程式,演習 連立一次方程式を行列表示して,逆行列を使って解を求める.行列式,逆行列の演習
12
期末テスト テキスト第二章
6月13日出張のため休講

◆2007年春学期 「行列と行列式演習」βγクラス 授業日程
内容
ポイント
授業の進め方について 前半のテキストはコピー配布資料.後半は「理工系の入門線形代数」
評価は出席+小テスト.出席して,実際に演習を行って,計算法を身に付けることが大切.
ベクトル ベクトルの足し算,ベクトルのスカラー倍など.図形の中のベクトル
ベクトルの内積 ベクトルの定義,スカラーとの違い,内積計算の説明と演習,課題
平面ベクトル 内積の演習解説.ベクトルと座標を結びつける.
内積計算 内積計算の演習.内積までの小テスト
空間ベクトル,内積演習 空間ベクトル.内積演習(全問正解まで缶詰)
外積計算 外積
行列演算 空間ベクトルまでの小テスト,行列の和,積の演習
行列演算 行列の和,積の演習.対称,交代,直交行列等の定義の復習
10
行列演算2 行列演算の演習
11
行列式 行列演算・正方行列までの小テスト.行列式計算の演習
12
行列式 行列式計算の演習
13
逆行列 逆行列計算の演習.逆行列までの小テスト.


◆2007年春学期 「ロボティクス入門」9人で担当,担当回数1回
内容
ポイント
ロボットの運動制御 ロボットを腕や足を動かすためには,制御器が必要である.うまい制御則を用いれば,望みの運動が得られるが,下手な制御では収束が遅かったり,入力にむだが生じる.人間の運動と比較しながら,運動制御の基礎であるフィードバック制御について説明する.制御システムの構成要素である「センサ,コントローラ,アクチュエータ」についても理解してほしい.

◆2007年春学期 「プロジェクト研究III」日程 授業での配布資料は,こちらをクリック.ちょっと調べたページはこちら
内容
ポイント
1,2
春休み課題発表会 春休みに自由製作したロボットの発表会を行い,互いに評価しあう.
授業の進め方1 テーマ説明,グループ分け
授業の進め方2 企画の書き方の説明,提出物の説明など
5〜7
所期検討,面談 ブレインストーミングを行って,たくさんアイディアを出す.
その中から,3つに絞って,実現性や予算などを考慮して内容をつめていく.教員とグループごとに企画内容の相談を行う.
中間発表 企画のショートプレゼンテーション
9〜11
企画検討,面談 テーマを一つに絞って,実際に企画書フォーマットにしたがって,目的,実現方法,スケジュール等をつめる.教員とグループごとに企画内容の相談を行う.
12〜13
発表会 企画のプレゼンテーション
企画書提出 グループで一部企画書を作成して提出.
また,各個人でその企画に対する考え方を別途レポート提出.

◆ 2007年春学期 「ロボットのための微分方程式」 2年生 授業日程
内容
ポイント
授業の進め方について テキストは「工学系学生のための常微分方程式」.
評価は中間・期末テスト.レポート点を加える.出席点は加算しない.
微分方程式とは? 速度は位置の時間微分,加速度は二階微分であるという事実から,運動方程式が微分方程式であることを理解する.様々な微分方程式の種類をまとめる.
運動方程式 Newtonの運動方程式を例に,簡単な微分方程式とその解(求積法による)について学ぶ.
変数分離法(1) 一階の同次微分方程式の基本的解法である変数分離法( f(x) dx = g(t) dt と変形して解く方法)について学ぶ.
変数分離法(2) 変数分離法で解ける微分方程式の例として,放射性同位体の自然崩壊(線形微分方程式),人口変動に関するロジスティック方程式(非線形微分方程式)を学ぶ.
変数分離法(3) 変数分離法による微分方程式の演習.進度を測るための小テスト.
変数分離法(4) 変数変換を用いて,変数分離形に帰着できる微分方程式の解法を学ぶ.演習(レポート)課題配布.
中間試験 60分
一階の線形微分方程式 一階の線形微分方程式の解について学ぶ.変数分離法+定数変化法で,一般的な解を導出する.→演習レポート
二階の定数係数線形微分方程式 二階の定数係数線形方程式の例として,バネダンパ系の微分方程式を理解する.
10
ニ階の定数係数線形微分方程式...同次微分方程式(1) 機械・ロボットシステムにおいて重要な要素であるバネダンパ系を表す二階の線形微分方程式の性質と解法について学ぶ.同次微分方程式の基本解(基底)を求め,線形微分方程式の解の重ねあわせを理解する.
11
ニ階の定数係数線形微分方程式...同次微分方程式(2) 特性方程式の解の分類(異なる実数根,重根,共役複素根)とそれに対応する微分方程式の解を学ぶ.
12
ニ階の定数係数線形微分方程式...非同次微分方程式 非同次微分方程式の解が,非同次微分方程式の特殊解と,対応する同次微分方程式の一般解の和であることを理解する.未知定数法を用いて特殊解を求める.バネダンパ系の強制振動解を求めるのに有効.
13
期末試験 90分
 レポート二回くらい提出.6月14日出張のため休講

2007年春学期 「システム制御」 3年生 (進み具合をみて調整,変更あり.)
内容
ポイント
授業の進め方について テキストは北川・堀込・小川「自動制御工学」.
評価は中間・期末テスト.出席点は加算しない.
システム制御で取り扱う範囲を説明する.(古典制御と現代制御)
「進んでいけばわかるようになる」by ダランベール
周波数応答 周波数応答とは?周波数特性ゲイン位相で表され,それは伝達関数G(s)のsにjωを代入するだけで計算できてしまうのだ!その導出.
周波数応答1 ゲイン,位相の計算(複素数演算).
周波数応答2 ボード線図を描く.ゲインを対数で取ることに注意する.ボード線図の利点について理解する.1次系まで.
周波数応答3 2次系のボード線図と,サブシステムが直列結合したときのボード線図について理解する.折点周波数,バンド幅,共振周波数の定義を理解しよう.レポート課題.
周波数特性と時間応答 ボード線図と時間応答の関係を学ぶ.バンド幅が広いほど,速応性が良いことを理解しよう.
周波数特性と安定度 ボード線図から分かる閉ループ系の特性であるゲイン余裕,位相余裕を理解する.その基礎にNyquistの安定判別の考え方があることを理解する.
中間テスト 60分
8
復習 中間テストの解説,および,周波数応答のポイントについての説明
9
再中間テスト 60分
10
設計1 設計の流れや,サーボ系,プロセス系という用語について理解しよう.積分器を用いた定常(位置)偏差の改善について理解しよう.
11
設計2 位相進み補償,位相遅れ補償など,ボード線図を用いた設計法を学ぶ.
12
設計3 PID制御について学ぶ.定常偏差や時間応答などとの関係を理解する.
13
演習 古典制御総まとめ 
14
期末試験 80分
 現代制御は,「サイバネティクス」もしくは,研究室ゼミ,大学院講義にて.

◆ 2007年春学期 「マイクロメカトロニクス・制御特論」 大学院 (かなり変更の可能性大)関連ページ
内容
ポイント
授業の内容について テキストは特になし.レポートを何度か出してもらう.
制御の目的と設計手順の概要 一般的な制御の目的と系設計の手順の概要について説明する.倒立振子の実験ビデオを紹介.Matlab,Mathematicaシミュレーション紹介
古典制御の復習1 システムの表現:ラプラス変換,伝達関数,応答についての復習.Mathematicaを用いた演習.
古典制御の復習2 システムの安定性:特性方程式,極,極と応答について説明.Mathematicaを用いた演習.
古典制御の復習3 Matlabを用いて,応答について復習する.時間応答,周波数応答を理解し,簡単な設計法を試してみよう.
古典制御の復習4 Matlabを用いて,ボード線図と位相進み,位相遅れ補償を理解しよう.コントローラ設計演習.
現代制御1 伝達関数から状態方程式へ.
現代制御2 安定性,極.可制御性と可観測性.
現代制御3 可制御性と可観測性の続き.状態フィードバック(極配置法)
現代制御4 最適レギュレータ
10
現代制御5 オブザーバを用いたフィードバック制御
11
非線形システムモデルと線形化 非線形の微分方程式で表される倒立振子のモデルを線形近似する.入出力変換や座標変換などの厳密な線形化の例も説明する.
12-14
コントローラ設計(演習) 線形近似モデルに対して,極配置,最適レギュレータ,PID制御などの線形コントローラを設計する.シミュレーションで制御ゲインと挙動の関係を調べる.
6月12日休講

もどる