2006年春学期  
 

科目名
学年
受講人数
評価
備考
行列と行列式
54
中間テスト+期末テスト合計点  
行列と行列式演習
84
出席点+小テスト(4回)合計点  
ロボティクス入門
95
出席点+試験 9人の教員でオムニバス形式
プロジェクト研究I
137
出席点,レポート 5人で担当
ロボットのための微分方程式
91
中間テスト+期末テスト,レポート点  
マイクロメカトロニクス・制御特論
30
レポート点 2人で前後半分けて担当
 ・行列と行列式はテキスト2章まで.昨年と同様の内容.証明や理論的な内容よりも,計算に重点をおいて行った.
 ・ロボティクス入門は担当が1回.試験結果から判断すると,いくつかの制御則を紹介したせいで,かえって学生が混乱したのでは?という印象である.
 ・プロジェクト研究Iは正規の担当者が5名に増えたが,担当者数を多くしても,逆に出張や会議での欠席が目立ち,実質的に3.5名での担当といったところ.この内容では,担当者を増やしても機能していなかった.
 ・プロジェクト研究IIIは担当ではなかったが,IVの準備のためにほぼ毎回参加.ちょっと進行が遅いか.
 ・微分方程式は,一階,二階線形微分方程式の解法まで.多くの学生がよく頑張っていて感心した.試験結果から,「運動方程式の立て方」をもっと説明すべきだったか?と感じた.
 ・制御特論は,受講者の事前知識があまりにもばらついていて,当初の計画(非線形制御)はあきらめて現代制御にした.しかし,6回での現代制御の講義は難しく,結果として,お話と学問の中間という中途半端な授業になってしまった.


◆ 2006年春学期 「行列と行列式」γクラス
内容
ポイント
授業の進め方について テキストは「理工系の入門線形代数」
評価は中間,期末テスト.出席点は加算しないが出席は取り,再試を行うかどうかの基準に使う(=出席が2/3未満の人には再試はしない).
行列とは何か 行列とはどんなものか.船の進む向きと座標,回転行列の例で理解する.行列の表記法を理解する.
行列の演算(1) 行列の和,スカラー倍,積の演算を理解する.スカラーの計算との違いに注意する.
行列の演算(2) 行列のべき乗,転置や分割を理解する.演習問題を行い,前回の分も含めて,行列演算を身に付ける.
正方行列 正方行列の特殊なもの(対角行列,単位行列,対称行列,交代(ひずみ対称)行列)の定義を覚える.
正則行列 正方行列の中で,正則行列と直交行列について理解する.
演習 行列の演算,種類についての演習問題を解く.演算法を身に付ける.
中間テスト テキスト第一章
行列式 2×2行列の行列式,3×3以上の一般的な行列の行列式計算を理解する.行列式が工学で必要になることも覚えておく.
行列式の性質 基本演算(行の入れ替え,足し算)について理解し,行列式を楽に求めよう.
10
逆行列 2×2行列の逆行列,3×3以上の一般的な逆行列の計算を理解する.特に,逆行列の分子部分の配置に気をつける.行列式=0だと正則ではないことを理解しよう.
11
行列を用いた連立方程式 連立一次方程式を行列表示して,逆行列を使って解を求める.
12
演習 行列式,逆行列の演習
13
期末テスト テキスト第二章

◆ 2006年春学期 「行列と行列式演習」β,γクラス
内容
ポイント
授業の進め方について 前半のテキストはコピー配布資料.後半は「理工系の入門線形代数」
評価は出席+小テスト.出席して,実際に演習を行って,計算法を身に付けることが大切.
ベクトル ベクトルの足し算,ベクトルのスカラー倍など.図形の中のベクトル.
ベクトルの内積 ベクトルの定義,スカラーとの違い,内積計算の説明と演習.
平面ベクトル ベクトルと座標を結びつける.
内積計算 内積計算の集中演習.内積までの小テスト.
空間ベクトル,内積演習 空間ベクトル.内積演習(全問正解まで缶詰)
外積計算 外積,空間ベクトルまでの小テスト(自分の資料,ノート閲覧可).
行列演算 行列の和,積の演習.
行列演算 行列の和,積の演習.対称,交代,直交行列等の定義の復習
10
行列式 行列演算・正方行列までの小テスト.行列式計算の演習.
11
行列式 行列式計算の演習.
12
逆行列 逆行列計算の演習.逆行列までの小テスト.

◆ 2006年春学期 「ロボティクス入門」9人で担当,担当回数1回
内容
ポイント
人間の情報処理と運動制御はどう関係付けられるのか? 人間が行っているフィードバック制御について理解する.制御の要素である「センサ,コントローラ,アクチュエータ」について理解する.人とロボットの対応付けを行う.実験を行ったビデオを観て,機械制御についてのイメージを持つ.

◆ 2006年春学期 「ロボットのための微分方程式」
内容
ポイント
授業の進め方について テキストは「工学系学生のための常微分方程式」.
評価は中間・期末テスト.出席点は加算しないが,ときどき出席を取り,再試を行うかどうかの基準に使う(=出席が2/3未満の人には再試はしない).
微分方程式とは? 速度は位置の時間微分,加速度は二階微分であるという事実から,運動方程式が微分方程式であることを理解する.様々な微分方程式の種類をまとめる.
運動方程式 Newtonの運動方程式を例に,簡単な微分方程式とその解について学ぶ.
変数分離法(1) 一階の同次微分方程式の基本的解法である変数分離法( f(x) dx = g(t) dt と変形して解く方法)について学ぶ.線形の例として,質点の運動方程式を取り上げて説明する.
変数分離法(2) 変数分離法で解ける微分方程式の例として,放射性同位体の自然崩壊(線形微分方程式)人口変動に関するロジスティック方程式(非線形微分方程式)を学ぶ.
変数分離法(3) 変数分離法による微分方程式の演習.進度を測るための小テスト.
変数分離法(4) 変数変換を用いて,変数分離形に帰着できる微分方程式の解法を学ぶ.演習(レポート)課題配布.
中間試験 60分
一階の線形微分方程式 一階の線形微分方程式の解について学ぶ.変数分離法+定数変化法で,一般的な解を導出する.
一階の線形微分方程式/
二階の定数係数線形微分方程式
一階の微分方程式の演習.→演習レポート
二階の定数係数線形方程式の例として,バネダンパ系の微分方程式を理解する.
10
ニ階の定数係数線形微分方程式...同次微分方程式(1) 機械・ロボットシステムにおいて重要な要素であるバネダンパ系を表す二階の線形微分方程式の性質と解法について学ぶ.同次微分方程式の基本解(基底)を求め,線形微分方程式の解の重ねあわせを理解する.
11
ニ階の定数係数線形微分方程式...同次微分方程式(2) 特性方程式の解の分類(異なる実数根,重根,共役複素根)とそれに対応する微分方程式の解を学ぶ.
12
ニ階の定数係数線形微分方程式...非同次微分方程式 非同次微分方程式の解が,非同次微分方程式の特殊解と,対応する同次微分方程式の一般解の和であることを理解する.未知定数法を用いて特殊解を求める.バネダンパ系の強制振動解を求めるのに有効.
13
期末試験 60分
 レポート二回提出

◆ 2006年春学期 「マイクロメカトロニクス・制御特論」(後半部分のみ)
内容
ポイント
授業の内容について テキストは特になし.レポートを何度か出してもらう.
制御の目的と設計手順の概要 一般的な制御の目的と系設計の手順の概要について説明する.倒立振子について説明をする.倒立振子の実験ビデオを紹介.倒立振子システムのモデルを立てる(Lagrangeの運動方程式から)→レポート
状態方程式 非線形の微分方程式で表される倒立振子のモデルを線形近似する.そこから,状態方程式をたてる.一階の微分方程式の解を用いて,安定性(=状態の収束性)のイメージを理解する.
線形システムの安定性 システムの安定性の定義,exp(At)の収束性,Aの固有値,伝達関数の極の関係を説明する.
システムの性質 可制御性,可観測性について説明する.
コントローラ設計 極配置,最適レギュレータ,PID制御など,線形制御について紹介する.課題を提示.
レポート内容の説明 第五回に課題として出した問題の解説と,Mathematicaの紹介.

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