研究概要

はじめに

 東洋大学理工学部応用化学科 物性化学研究室は、2010年4月にできたばかりの新しい研究室です。
 私たちは「空間と物性」をキーワードに、ナノ空間における物質の振る舞いを分子レベルで明らかにすることを目指します。さらに、ナノ空間を用いて、特異な物性を示す新しい分子集合体の創製を目指します。

ナノ空間物理化学

 分子集合体が示す様々な性質を「物性」といいます。また、固体内や分子集合体に構築されるナノメートル(1メートルの10億分の1)程度の空間を 「ナノ空間」と呼びます。これは、私たちの肉眼で見ることはできませんが、分子にとっては比較的自由にアクセスできる空間です。

 このようなミクロな空間に閉じ込められた分子集団は、壁面と接する分子の割合が大きくなるため、バルクとは異なる特異な性質を示します。例えば、 コップの中の水は通常0℃で凍りますが、ナノ空間に閉じ込めると、-20~30℃まで凍りません。もっと小さな空間では、もはや私たちが知っ ている水とはまったく異なった性質を示すようになります。

 物性化学研究室では、このようなナノ空間に閉じ込められた分子集団の性質(熱的、電気的、磁気的 性質)がどのようなメカニズムで現れるのかを分子の動き(分子運動)を通して調べています。また、“空間”によって分子の並び方をコントロールすること で、プロトン伝導、電子伝導、1次元スピン鎖などの新しい機能を持った材料の創製も目指しています。

ここが面白い!

 目では見えない非常に小さな孔の中で、けなげにも分子たちがお互い手と手を取り合って、自分たちの性質や構造を変えて居心地の良い状態 を作り出し、それを様々な形で自己主張してくるところが、純粋にそして垣根なしに愛おしくて研究を続けています。

 昨年の春学期には物性化学研究室の第1期生として3名の卒研生を迎え、さらに9月には新しく2名の卒研生が加わり、だんだんと活気が出てきまし た。

物性化学研究室では、こんな学生さんを 歓迎いたします。
•明るくて元気、何事にも前向きに取り組むバイタリティーのある学生
•私たちと同じ興味を持って研究を続けてくれる学生
•積極的かつ自発的に大学院進学を希望してもらえる学生

「少しばかりの不安と大きな好奇心」、そして皆さんのアイデアが新しい研究の扉を開きます。皆さん、一緒にこの興味深いナノワールドを探求して みませんか?

研究紹介

共同研究

以下のような大学および研究機関と共同研究を行っています。

  • 大阪大学大学院理学研究科化学専攻・江口研究室
  • 東京工業大学応用セラミックス研究所・川路研究室
  • 信州大学理学部化学科・飯山研究室
  • 東京電機大学工学部環境化学科・石丸研究室

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