JEN報告会

日時 2006年6月1日(木)19:00−20:30

会場 JEN東京本部事務局(飯田橋)

報告者 高橋美紀氏(JENイスラマバード事務所長)

 

報告を聞いて1

 JENのパキスタン地震報告会で、現地で実際に活動を行っている高橋さんのお話を伺いました。報告会では、支援物資の配布の様子や子どもたちの青空学級の様子等のスライドを見せていただき、現地の状況がとてもよく伝わってきました。

 私が報告会で特に驚いたことは、JENが配布した子ども用ジャケットが男の子と女の子で色分けされていることでした。色分けする理由は、同じ色のジャケットでは男の子が女の子のジャケットを取ってしまうからなのだそうです。私は男女の身分の差が、子どものときからあることに衝撃を受けました。私は質疑応答の時間、高橋さんになぜ子どものときから、子どもたちに男女の身分の差の意識があるのかお聞きしました。その理由としてひとつは、男の子の方が社会進出率も高いため、どうしても「物を優先的にもらうのは男の子」という意識が大人たちにもあるからなのだそうです。(長澤)

報告を聞いて2

 自主ゼミの活動として、先日JENで行われたパキスタン地震の説明会に行ってきました。JENはパキスタンのバーグ県のハベリ区で活動をし、スタッフはアフガニスタンから1名、日本から3名、現地の人数名からなっているとのことでした。現地で実際に活動した高橋さんから説明を聞きました。

 活動の1つとして教育支援を行っていて、学校用のテント250張を配布したとのことでした。学校用のテントを設置する際も、スペースを確保する必要があるので、地主から土地をかりることもあったと言っていました。テント1張は200kgもあり、パキスタンは山の中腹に村があることがめずらしくないので軽いものは生徒が、重いものは大人が手分けし運んだそうです。JENはほかにも学校かばん、防寒着を配布し、授業を楽しそうに受けている子供たちの笑顔の写真が印象的でした。

 緊急支援後も、モニタリングを実施し、学校調査チームが授業中に学校に行ったとのことでした。JENは支援する際に「心のケアと自立の支援」をモットーに活動していて、子供たちの心のケアや、耐震強度がある建物の設計も、なるべく現地の専門家に任せてその国で自立できるようにしようとする意図がある取り組みでした。その後、親睦会にも参加し、NGOで働いている方や関係者の方とお話することができました。とても有意義な機会となりました。 (岡田)

報告を聞いて3

 今回の報告会は、日本にいてはわからない現地状況の把握や、私の少ない知識を増やしてくれるものとなりました。
  講演後、質疑応答の中で、日本から途上国に専門の知識を持った専門家を派遣し、どんどん日本と同じような建物や施設をたくさん作ればよい。そういうことをしないから耐震度が弱く、環境にも悪いものが作られてしまうなどと、とても厳しい質問がでました。
  それに対してJENの職員の方々が、もちろん専門家と一緒の作業も試みているとの前提のうえで、次のように答えていたのが印象的でした。
  日本人がどんどんと作ってしまえば、かなり効率がいいでしょう。けれど、それでは本当に援助だけになってしまって、自立心が生まれない。現地の人と協力して作らないと、その後大切に使ってくれない、壊れたらまた作ってくれるから、という気持ちになってしまう。現地の人と協力して一つのものを作っていくことは、心のケアを考えてのことでもある。そこで得られる達成感を重要視している。
  私はボランティアの難しさを、改めて痛感させられました。「与えられてばかりで、自分はなんてミジメなのだ」と相手が感じないよう、のプライドを傷つけないように、私達もあなたからすばらしいものをもらっていますよ、というのを表現しながら、接していくことが大事だということを学びました。(荻原)

戻る