Experiment on robotics & mechatronics

機械工学実験3 −ロボティクス・メカトロニクス実験

(略称,「ロボメカ実験」)(秋学期開講)

Experiment on robotics & mechatronics

Last update on 1999-03-24

1.概要

 この実験は,機械工学実験3で用意されているテーマの一つで, ロボティクス・メカトロニクスに関するものです. 1996年から始まり,まだ3年目ですので,こちらも試行錯誤しています. ただ,時間はかかるけれども楽しいと評判の実験です. 楽しみにしてください! 

 さて,この実験テーマは,機械の計測と制御および知能に関する理論と実際を 学ぶことが目的です. まずはセンサとアクチュエータの機能や特性を理解し, C言語によるプログラミングを通してプログラム開発の手順を理解し, これらの基礎知識を元に実際にロボットの動作制御プログラムを書くことにより, センサとアクチュエータの相互作用すなわち知能化について学びます. これらを通してエンジニアリングセンスの修得を目指します.

 したがって,このテーマを選択する人は, 機械工学科講義科目の「制御工学」,「計測工学」, 「メカトロニクス」,「ロボット工学」,「マイクロメカトロニクス」, 「計算機システム」(あるいは他学科,他大学の同等の内容の科目) を履修していることが期待されています. もしそうでない場合には,自分で勉強することを期待します.

 なお現状では,1.5時間を1コマとして4コマ(1日)しか時間を割り当てられて いませんので,できることにも制約があります. 興味ある人は随時研究室に来て, 実験の続きまたは実験の予習をして結構です.歓迎します.

2.講義の目的,内容,および授業スケジュール

 知能移動ロボットのキット Rug Warrior(A.K.Peters社製)を使用します. これは本来部品とソフト(Interactive C)をキットにして販売しているものですが, この実験では,時間の制約から,実験ではあらかじめ組み立てられたものを使います.
 以下の内容を予定しています. (括弧内は取扱説明書で参照すべき箇所を示します)
  1. プログラム開発手順,C言語の把握(7章)
  2. 自己診断テストの実行(2.0節)
  3. 使用している電子部品の機能や形状の把握(3章)
  4. 使用している機構部品の機能や形状の把握(4章)
  5. 基礎実験 − 音を鳴らす(A.1.2節)単独音の発生,曲の演奏など
  6. 基礎実験 − センサの値の読み込み(A.1.3節)
  7. 基礎実験 − モータを回す(A.2節) 加減速制御;単独回転,左右協調回転など
  8. 基礎実験 − エンコーダの機能と特性の把握(A.2.1節)
  9. 応用実験 − 直進+円弧走行,センサ信号による条件判断動作, 衝突回避動作など(各班で希望に応じて決める)
ロボティクス・メカトロニクスでは,計算機なしの処理は考えられません.そこで, あらかじめ用意されたC言語のプログラムを使い, これによって上記の課題をこなします. 独自の処理を加えたい場合にはそれをもとに自分でプログラムを書き換えます. Interactive Cという処理系が DOS/V と Macintosh および UNIX に 用意されていますので,これを利用します.

実験風景

programming...
プログラミング中...
avoiding light
光を避ける動作の実現

3.成績評価の方法

 出席とレポートと実験中の作品のできばえにより評価します. 火曜日が実験日なので, レポート提出はその週の金曜日までに一旦チェックの後, 次週の月曜日の18:00までに最終提出とします. レポートは各自で1部提出します.

レポートの内容は,上記項目にしたがって各班で学んだこと,調べたこと, 作ったプログラムの説明,考察および感想を書いて下さい.

4.テキスト,参考書

 この実験テーマは追加されたばかりのため, すでに配布済みの実験テキストにはこのテーマに関する説明がありません. すみません. ロボットの取扱説明書をまず参照しますが, 実験用の教材として,

フリン著(熊切訳):「移動ロボット(基礎科学と応用)」, トッパン,1996.

を何部か購入してありますのでこれをぜひ参照して下さい. ロボット工学に興味ある人は各自で購入することをお勧めします. これ以外に,この実験テーマを深く理解するためには, メカトロニクスの教科書の他,いろいろな本を参照するのが望ましいと思います.

 なお,この参考書と移動ロボットのキットを使った授業は 著者の一人である米国カリフォルニア大学バークレー校のフリン先生による

「Mechatronics (EECS192)」
がオリジナルで,他の大学でも利用されているようです.


移動ロボットキットの国内販売代理店:

新川電機株式会社関東支社
〒102 東京都千代田区麹町4-3-3 新麹町ビル3階
Tel. (03) 3263-4411
Fax. (03) 3262-2171
e-mail robot@shinkawa.co.jp


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Edited by Akihiro MATSUMOTO