2022年2月24日 データのメンテナンス
 
最近,高校生の頃の動画を見た.懐かしい思いとフォーマットについて感じたことについての覚書.
ちょっとガラパゴスで竜宮城のような話です.
 
◆ 動画
 
久しぶりに再生した動画の中で,亡き父が歩いている姿を見て,談笑する声を聴いた.とても懐かしく,まるで魔法のように感じた.心底,人類の発明の偉大さに感動した.
父は写真が趣味で,私が生まれる前は「8ミリカメラ」でも家族を撮っていた.
8mmビデオカメラ」が登場すると新しい物好きの父は喜んで買ってきた.
その動画はVHSビデオテープにダビングして保存していた.βを凌駕したVHSビデオがなくなるとは思っていなかった.

そんな父が亡くなってしばらくして,「デジタルビデオカメラ」が登場し,私はハンディカムというビデオカメラを買った.
東洋大に来てからも数年間はデジタルビデオを使って講義の動画を撮影していた.
miniDVという規格のビデオテープ.デジタルでコンパクトな画期的なテープだと思っていた.

◆ フォーマット変換
 
今回,久しぶりに動画を見たけれど,何せ,久しぶりすぎて,いろいろあった.
まず,8mmビデオカメラで撮ってVHSビデオテープに記録しておいた動画.
これは12年くらい前に,(久しぶりに見ようと思った際に)VHSビデオデッキとDVDレコーダを繋いで,VHSテープからDVDディスクへダビングしておいた.世の中からビデオデッキがなくなりそうだと思ったんだな.そして,今,VHSビデオデッキもテープもほぼ見なくなった.よくやったぞ,当時の私.
今回はそのDVDディスクの動画を編集しようとしたが,今使っているPCの動画再生ソフトが対応していないフォーマットだった.困った.
が,YouTubeにアップロードしてみたら,PCで編集できるフォーマットに勝手に変換してくれた.すごいな,YouTube.
ちなみに,Blu-rayレコーダでも編集できた(同じメーカーのものを使っている恩恵だろうか)

一方,12年くらい前の時点で,デジタルビデオカメラはまだ仕事で使っていたし,大丈夫だろうと放置していた.
今,miniDVテープを再生する機器がない.で,12年ぶりくらいにハンディカムの電源を入れた...動いた!感動である.
学生の頃,SONY製品には「SONYタイマー」が組み込まれていて一定期間で壊れるという冗談があったが,組み込まれていなかったらしい.
まあ,10年くらい使っていないハンディカムを捨てずに持っていた自分自身もすごいが(笑)
しかし,問題はどうやってPCに取り込むかだ.今使っているBlu-rayレコーダーに取り込むには専用ケーブルが必要だが,ない.
と思ったら,ハンディカムにiLINKという端子がある.なんだ,これ?取説にはPCに取り込めるって書いてあるけど使ったことがない...と,12年ほど使っている私物のデスクトップのvaioを見たら,あるじゃないか!iLINK端子.\(^o^)/
恐る恐るiLINKケーブルをPCに繋いだら,見たことないソフトウェアが勝手に起動した.ダンジョンに隠された秘宝か?
Windows7用のソフトのはずなのに,問題なく動画が取り込めた!
感動したぞ,古いvaio.使い続けていて良かった.自分自身の貧乏性で物持ちの良さを誇らしくすら思ったね.

◆ 古いもの
 
まあ,そんなわけで,今回,物理的にメディアが残っていた動画は見ることができた.
しかし,放置しておくと,物理的に存在していても,読み取る手段がなくなる可能性があることを実感した.MDとか,MOとかな.
そして,デジタルデータがあっても,そのフォーマットに対応したソフトウェアがなくなる可能性もある.ATRACとかな.
だから,ときどき,定期的に,現行の媒体やフォーマットに変換しておかないといずれ見られなくなるなと思った.
そういえば,最近,大学卒業時に貰った時計や,大学院卒業時に初めて買った万年筆を修理に出したのだが,「部品がなくなったら修理できなくなる」と言われた.

今回の教訓:気付いたら,放置せずにメンテナンス