研究内容
現在取り組んでいる研究テーマはいくつかありますが、「伝統とイノベーション」という一貫したテー マのもとで、主に芸術・文化に関連した組織運営を対象としながら、芸術・文化を土台に据えた社会と組織のダイナミックな関係の解 明を目指しています。
・舞台芸術団体のマネジメントに関する研究
大学院在学中から、オーケストラを中心とした舞台芸術団体のマネジメントについて国際比較研究をしてきました。これまでにフラン ス、イギリス、
アメリカ、ロシア、ベルギー、日本のオーケストラ、オペラ、バレエ、劇団、サーカスなどの現地調査をしています。2012年から
はバレエ・リュスの効果についての研究に取り組んでいます。
・楽器ビジネスに関する研究
2005年から2008年まで北イタリア・クレモナの産業クラスターでの弦楽器製作における技術継承と知の変換に関する研究テー マ
に取り組みました。この弦楽器の産業クラスター研究は、その後楽器のブランド形成についての研究に発展し、ピアノを中心と
したブランド研究で『ピアノ 技術革新とマーケティング戦略』を出版いたしました。
・音楽祭のマネジメントに関する研究
2012年から、歴史あるヨーロッパの音楽祭を対象に、市場創造を目指しつつ無形文化財としての役割を捉える萌芽的研究に取り組 んでいます。
・陶磁器の産業クラスターに関する研究
2010年からの京都大学日置名誉教授との共同研究では、景徳鎮を中心に伝統工芸の技術継承とクラスター研究を遂行中で、これま でに
有田、利川、景徳鎮などの現地調査を実施してきました。アート市場の創造とプロデューサーの役割が研究テーマで、『産業クラスターのダイナミズム~技術に
感性を埋め込むものづくり』を出版いたしました。
・ソーシャル・マネジメントに関する研究
社会と企業の関係、ソーシャル・マネジメントの役割について、学内のメンバーを中心に研究会を開催しています。この研究は、学科
の教育活動の一環でもあります。社会を変革する力を持つような学生を育てることを目指しています。
・イノベーションに関する研究
博士課程在学中には、ベンチャー企業経営のゼミに所属していました。ベンチャー企業の研究では、主にソーシャル・ベンチャーを研
究の対象とするようになりましたが、2010年度の在外研究中はシリコンバレーの産業クラスター
を調査し、第3のイタリアとの比較において、イノベーションの源泉を探る研究を進めてきてきました。現在は、アートと技術の融合について研究しています。
・ジェロントロジーの研究
高齢化が進む日本において、大人が楽しめる社会を確立するために、文化の消費者の主役としての高齢者の研究を進めています。大人
の遊び場の創出がテーマです。
・ビジネスモデルの研究
外から見えにくいビジネスモデルの研究を、早稲田大学の恩師山田英夫教授と共に取り組んでいます。