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仕事・エネルギーの定理

物体にされた仕事はその物体の運動エネルギーの変化分に等しい.これを仕事・エネルギーの定理と呼ぶ.

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この定理は散逸系(非保存系)でも適応できる.

導き方

ニュートンの第二法則は

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であるが

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であることに注意すると

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または

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従って積分すれば

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を得る.

例1

物体(質量m)が摩擦係数muの平面を初速度v0で滑り停止する場合を考える.摩擦力は

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であるから走る距離をxとすると、

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となる.(質量 m に依存しないところに注意.)

例 2

物体(質量m)が単振動をしている場合を考えよう.力はバネ定数kを用いて、

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と書ける.従って、

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となり、

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であるから、位置エネルギーと運動エネルギーの和は一定であることがわかる.(力学的エネルギーの保存則)

力学的エネルギーの保存則

一般に仕事かその物体の経路によらないとき(即ち始状態と終状態のみによるとき)系は保存系であるといい、その力を保存力という.この場合、系の運動エネルギーと位置エネルギー(またはポテンシャルエネルギー)の和(力学的エネルギー)は一定である(時間によらない).これを力学的エネルギーの保存則と呼ぶ.ポテンシャルエネルギーは

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と定義される.例えば単振動の場合、

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であるから、

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または積分をして

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となる.(積分常数に任意性があることに注意).

例1 地球上の重力場における物体(質量m)

座標系を落下の方向をプラスとすると

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であるから、

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符号に注意.表現は選んだ座標系による.

例2 ニュートンの万有引力の法則 

物体にかかる力(引力)は

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とかける.ここでm1, m2は質量を表す.従って、r=r1におけるポテンシャルエネルギーは

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一般に無限遠の位置エネルギーをゼロとする.

問 上の例1,2の関連性について述べよ(g とは何か).

単振動の場合

ここでは力学的エネルギーの保存則から、逆にニュートンの第二法則を導き出してみよう.単振動の場合位置エネルギーUと運動エネルギーKは次のように書ける.

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ここで k はバネ定数、 m は質量である.まず、これらは定数であると宣言しておく.

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力学的エネルギーの保存則は

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両辺を t で微分すると

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Dt[x,t] はv であるから(vは一般に0でない)、よって、両辺をvで割れば、

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問 ニュートンの万有引力が質量m の物体にかかっているときの運動方程式をその位置エネルギーから求めよ.


Converted by Mathematica ハハハハハMay 18, 2000