Original Mathematica File

以下は下付けのシンボルを使うための準備である.

In[1]:=

2Vector_1.gif

In[2]:=

2Vector_2.gif

In[3]:=

2Vector_3.gif

In[4]:=

2Vector_4.gif

Vectors

力、速度、加速度などはベクトル量であり、大きさと方向を持つ.質量は大きさのみでスカラー量である.力学では、ベクトルの加法、減法、内積、外積という演算が重要な意味を持つ.ここでは、簡単にその基本的な性質を述べる.

ベクトルの和

a, bのベクトルを次のようにおく.

In[5]:=

2Vector_5.gif

和は

In[7]:=

2Vector_6.gif

Out[7]=

2Vector_7.gif

となり、各成分を各々たしあわせれば良い.a とb の差は

In[8]:=

2Vector_8.gif

Out[8]=

2Vector_9.gif

となる.

交換則、結合則が成り立つ.すなわち、

In[9]:=

2Vector_10.gif

Out[9]=

2Vector_11.gif

In[10]:=

2Vector_12.gif

Out[10]=

2Vector_13.gif

内積(スカラー積)

内積 (cross product とか dot product) というのはベクトルとベクトルからスカラーをつくる演算を意味し、次のように定義される.

すなわち、a, bのベクトルを次のように

In[11]:=

2Vector_14.gif

と直角座標で表すとするとベクトルa  と b の内積は

In[13]:=

2Vector_15.gif

Out[13]=

2Vector_16.gif

と書け、またベクトルa  と bの間の角をthetaとすると

In[14]:=

2Vector_17.gif

Out[14]=

2Vector_18.gif

または、

a.b == | a | | b | Cos[θ]

が成り立つ.

例 ベクトルa, b が次のように与えられているときその間の角度を求めよ.

In[15]:=

2Vector_19.gif

解)

In[17]:=

2Vector_20.gif

Out[17]=

2Vector_21.gif

であるから、

In[18]:=

2Vector_22.gif

2Vector_23.gif

Out[18]=

2Vector_24.gif

または、数値では、

In[19]:=

2Vector_25.gif

Out[19]=

2Vector_26.gif

となる.これはラジアンで表されている.もし度に変えたければ

In[20]:=

2Vector_27.gif

2Vector_28.gif

Out[20]=

2Vector_29.gif

問1 ベクトルa, b が次のように与えられているときその間の角度を求めよ.

In[21]:=

2Vector_30.gif

外積

外積 (Cross Product) というのはベクトルとベクトルから新しいベクトルをつくる演算を意味し、次のように定義される.

a, bのベクトルを次のように直角座標で表すとすると

In[23]:=

2Vector_31.gif

In[26]:=

2Vector_32.gif

Out[26]=

2Vector_33.gif

または、一般の表記法をもちいると

In[27]:=

2Vector_34.gif

Out[27]=

2Vector_35.gif

となる.次の公式が成り立つ.

In[28]:=

2Vector_36.gif

Out[28]=

2Vector_37.gif

In[29]:=

2Vector_38.gif

Out[29]=

2Vector_39.gif

または、

In[30]:=

2Vector_40.gif

Out[30]=

2Vector_41.gif

In[31]:=

2Vector_42.gif

Out[31]=

2Vector_43.gif

問2 Cross[a,a] ==0 であることを示せ.

また、次の公式も成り立つ.

In[32]:=

2Vector_44.gif

Out[32]=

2Vector_45.gif

In[33]:=

2Vector_46.gif

Out[33]=

2Vector_47.gif

すなわち、

In[34]:=

2Vector_48.gif

Out[34]=

2Vector_49.gif

が成り立つ.

特に、ベクトルa, bの間の角度をthetaとすると、

(a×b) == | a | | b | Sin[θ] n

が成り立つ.ここで n はベクトルa, b のどちらにも垂直な単位ベクトルである.(nの方向は右ねじの方向).

例 ベクトルa, b が次のように与えられているときその間の角度を求めよ.

In[35]:=

2Vector_50.gif

解) 

In[37]:=

2Vector_51.gif

2Vector_52.gif

Out[37]=

2Vector_53.gif

例 外積を用いて

2Vector_54.gif

であることを示せ.

解)

単位ベクトルa, bを次のように定義する.

In[38]:=

2Vector_55.gif

すると、

In[40]:=

2Vector_56.gif

Out[40]=

2Vector_57.gif

また、単位ベクトルa, b間の角度θ2Vector_58.gif-2Vector_59.gifであるから、

(a×b) == | a | | b | Sin[θ] n

2Vector_60.gif

が、証明された.

問3 外積を用いて、ベクトルa, b が次のように与えられているときその間の角度を求めよ.

2Vector_61.gif

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