2006年5月17日 16:50〜
今日は私たちがバングラデシュに行く際にお世話になるNPO「シャプラニール=市民による海外協力の会(以下、シャプラニール)」の前ダッカ事務所長・白幡利雄さんに、ゼミに来ていただきました。
白幡さんはバングラデシュのシャプラニールのスタッフとして1996年から3年間赴任し2001年からはダッカ事務所長として活動され、今回は約7年にわたって滞在したバングラデシュの現状や現地での活動、今後必要とされる取り組みについてお話していただきました。
シャプラニールは1972年に設立された民間海外協力団体(NGO)で、平和で公正かつ多様な地球社会の実現を目指し、
特定の政治・宗教団体・企業などに依存することなく、一般市民の支援によって活動しています。
現在はバングラデシュ、ネパール、インドで活動しています。
バングラデシュでの活動は、農村部の貧困層を対象にした相互扶助グループ「ショミティ」の育成を主に、成人識字学級や児童教育、保健衛生環境の改善や収入向上の活動に取り組んでいます。
2001年からは急速に深刻化してきた都市問題に対応するため、
地元NGOをパートナーとして首都ダッカで路上生活する「ストリートチルドレン」の子供たちへの支援活動を開始しました。
また、大洪水などの自然災害発生時には緊急救援活動を実施します。最近では98年8月にバングラデシュ全土を襲った大洪水に際し、
被災者を対象とした物資配布などの救援活動と道路修復などの復興活動を行いました。
バングラデシュは面積が14億4千平方qと日本の四割ほどしかないのに、人口が1億3,800万人というとても人口密度が高い国です。ベンガル語を母国語として国民の90%がイスラム教徒です。私が興味を持ったのは、バングラデシュの「バリ」という生活スタイルです。バングラデシュでは、家族・親族などの血縁関係を中心に社会生活が営まれています。その家族何世帯かが中庭を中心に集まって家を建て親族で助け合いながら生活しています。そのグループを「バリ」といい、経済的・社会的な事柄、及び土地の所有に関しては、バリが取り仕切ります。私達が現地に行ったときもバリが見られるそうです。
また私たちの一人ひとりの質問にも答えていただいて、バングラデシュの教育の現状や、国内のNGO活動の事など詳しく話していただきました。白幡さんにはその後の懇親会にも出席していただいて、授業のときよりもうちとけた雰囲気の中で、みなそれぞれの思いや意見を交換し、とても有意義な時間を過ごすことができました。
9月の訪問に向けて私たちもバングラデシュのことを勉強していきますが、実際に現地で生活し活動してきた方のお話はより詳しく、細かくためになりました。今回の講義はこれから私たちが勉強していくヒントになり、とてもためになるものでした。バングラデシュ訪問にむけてそれぞれの課題も見つけて煮詰めていきたいと感じました。
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