(1)古河市歴史的観光資源巡検(2003.05.27)

 1)古河歴史博物館
  古河公方(足利成氏),雪の結晶を江戸時代に観察した土井利位,古河藩家老であった鷹見泉石が収集・記録・研究した貴重な蘭学資料,今に残る街並みの原型であった城下町の様子を展示.
  古河城は,渡良瀬川左岸に位置し,自然の砦に防御されている.その立地は,古河公方勢(関東北・東)と北条勢(関東南・西)との境界に位置する.江戸時代以降は,城下町ならびに日光街道の宿場町として機能.
  周辺には,篆刻美術館,文学館などの各種施設.肴町周辺も蔵があり,修景なされている.

    
    上:入場券半券(嘗て古河城の外郭(出城)に位置し,掘割が再現)

     
    左:出城曲輪跡が噴水となっている. 右:曲輪上部の街並み

    
    古来,日光を詣でる将軍を古河藩がもてなしたとされる御茶屋口門跡

 2)古河総合公園
  市の南部に位置.エントランス付近には,古河公方館跡(鴻巣御所)の他,旧飛田家住宅(重要文化財)が茨城北部から移築.曲り屋は東北地方(東部.遠野など)に多く見られる住居形態で,その影響が茨城まで及んでいたことが推察できる.また,公園の北部には古河公方足利義氏墓所(県指定文化財)や「桃祭り」で有名な桃花が植樹されている.
  なお,この公園の作庭コーディネーターを中村良夫氏(東京工業大学名誉教授)がつとめている.

     
    左:古河公方館跡碑と旧中山家住宅,右:旧中山家住宅 ( 茨城県指定文化財。建築年代は、延宝2年(1674)頃と推定)

    
    旧飛田家住宅(国指定重要文化財,曲家形態で,東北地方と類似している.馬が生活に深くかかわっていることが推察)

     
    左:古河公方館跡を抜けたところ(水面部分は,かつて渡良瀬川に相当.右岸に相対するように立地)
    右:公園内には蓮池があり,この先に河公方足利義氏墓所がある.

資料

  1)古河歴史博物館 (展示品,刊行物情報が掲載.「歴史の散歩」にも詳細な情報が掲載)
  2)古河篆刻美術館 (全国唯一の篆刻美術館.建物は,国の重要文化財)
  3)古河文学館 (大正ロマンの香りが漂う洋館.併設するイタリアレストラン「唐草」での休憩もよい)
  4)古河街角美術館 (市民創作発表の場として活用.レンガ建ての建物)
  5)古河市役所 (上記HPのポータルサイトとしても機能)
  6)鹿島HP (古河総合公園の設計に関するエッセーを掲載)
  7)週間 おくの細道を歩く(角川書店,第7号 栃木・古河)

前に戻る