生体は混合物からできています。それらの物質を必要なときに作り、分解しながら生きています。すなわち、この物質代謝こそが生命現象の根幹をなすと言っても過言ではないのです。

　自らが注目する物質を混合物のままで調べることは困難です。まず始めに混合物を分けて、分かれた状態で分析を行います。

　物質を分ける技術にクロマトグラフィーがあります。研空室で用いているのは主に液体クロマトグラフィーです。また揮発成分はガスクロマトグラフィーを用いて分析します。

　私たちは植物に含まれるクマリン化合物の内生量や、クローニングしてきた遺伝子の転写産物による酵素反応生成物の分析をクロマトグラフィーを用いて分析､定量しています。