医工学分野:バイオフィーバック装置の開発
起立ストレスや運動による血行動態の変化を計測する装置の開発
生体電位を計測し被験者にフィードバックする装置の開発
ストレス試験環境
バイオフィードバックシステムイメージ図
医工学からのアプローチとして,ストレスにより生じる生体反応を捉え、計測する装置の開発を行っています。起立ストレスや温熱ストレス,精神性のストレス等によってヒトの循環動態は変化します。この変化は血圧,心拍数,体温,呼吸,血流,神経活動など多岐にわたります。これらの変化を非侵襲的に計測できる装置の開発に取り組んでいます。ストレス状態を被験者に表示し、認識させることが、自己調節能力を高める最初の一歩だと考え、バイオフィードバック装置による総合的ストレスマネージメントシステムの構築を目指しています。
ストレス試験環境:バイオフィードバック装置開発時の試験環境として様々な生体情報計測装置を設置してあります。超音波画像診断装置は起立ストレス付加時の頸動脈血流変化の測定や心臓における心拍出量の変化測定が可能です。また、ストレス付加時の腸管運動の解析にも利用できます。
バイオフィードバックシステム
脳科学分野:脳科学によるストレスの可視化
脳血流の変化からストレス状態を可視化
脳神経ネットワークのマッピングによる神経経路の解明
脳機能解析環境
脳科学的アプローチからストレスの可視化を目指しています。様々なストレスに対する身体の反応は血圧上昇,心拍数上昇,体温上昇など、運動により起こる反応と同様の反応を示します。ラットによる実験では脳内の神経ネットワークは、精神的ストレスと運動では異なる事が確認されています。脳科学によるアプローチでは、ラットによる研究と並行してヒトにおいても脳活動の違いからストレスの分類と可視化を行います。
脳機能解析環境:ヒトの脳機能を解析するため、脳波測定装置と光トポグラフィーを中心にベッドサイドモニター等を備えた解析室です。呼吸の状態や血圧変動等を計測しながら脳活動の変化が計測できます。
免疫学分野:免疫学によるストレスの可視化
ナチュラルキラー細胞活性によるストレスの可視化
ストレスマネージメントのためのバイオマーカーの開発
生体防御機能解析環境
免疫学的アプローチにより抗体反応を利用してストレス状態の可視化を行います。試験管内において,ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンを与えるとリンパ球,ナチュラルキラー(NK)細胞の活性を下げると言われており,ストレスが免疫機能の低下を引き起こすのではないかと言われています。このナチュラルキラー細胞の数と活性化の状況や表面マーカーによるサブセットを分類し、ストレスと免疫機能の可視化を行っています。
生体防御機能解析環境:フローサイトメーターをはじめとして、DNAシーケンサー、共焦点レーザー顕微鏡、リアルタイムPCR、マルチモードマイクロプレートリーダー等様々な計測装置備えた解析環境です。ナチュラルキラー細胞の解析を始め様々な免疫機能解析を行うことができます。