The Orient: 東洋大学ロボカップチーム

ロボカップ ジャパンオープン 2007 大阪大会報告



大会概要: 

日程: 5月3日〜5日
場所: インテックス大阪2号館(大阪市住之江区南港北1−5−102)
主催: ロボカップジャパンオープン2007大阪開催委員会 (特定非営利活動法人ロボカップ日本委員会、大阪市 等から構成)
公式Webサイト: RoboCupジャパンオープン 2007大阪大会の公式ホームページ
参加者: 16のリーグに総数192チーム630人が参加
動員観客数: 約3万人


東洋大学チームの参加状況

大会全体の公式記録は, 公式ホームページの結果 のページ を参照して下さい.

最終更新日 2007-05-12 

東洋大学のチームの概要

遠征日程:

5月1日(日) 松元グループ出発
5月2日(火) 中林グループ出発,準備作業
5月3日(木) 大会1日目
5月4日(金) 大会2日目
5月5日(土) 大会3日目,撤収作業,中林グループ帰途
5月6日(日) 松元グループ帰途

チームメンバー(人間)

中型リーグ ヒューマノイドリーグ シミュレーションリーグ

中型リーグの結果

チーム名 DIT-RC
EIGEN
Soromons&Trackies
Hibikino Orient
WinKIT Future Vision
試合数
勝ち
引分け
負け
勝ち点
得失差
順位
DIT-RC
(大同工業大学)
-
5月3日
10:00

0-1
5月4日
15:00

0-5
5月3日
15:50

0-8
5月5日
10:50

0-2
5月3日
12:30

0-3
5月4日
12:30

0-1
6


6
0
-20
7
EIGEN Keio Univ.
(慶応大学)
5月3日
10:00

1-0
-
5月4日
13:20

10-0
5月3日
13:20

2-0
5月5日
13:20

6-0
5月4日
10:50

7-0
5月5日
10:00

10-0
6
6


18
36
1
Soromons & Trackies
(福井大学・大阪大学)
5月4日
15:00

5-0
5月4日
13:20

0-10
-
5月3日
10:50

0-10
5月3日
14:10

4-0
5月5日
11:40

1-5
5月4日
10:00

2-0
6
3

3
9
-13
4
Hibikino-Musashi
(九州工業大学,他)
5月3日
15:50

8-0
5月3日
13:20

0-2
5月3日
10:50

10-0
-
5月4日
11:40

6-0
5月4日
15:50

3-0
5月5日
12:30

6
5

1
15
30
2
The Orient
(東洋大学)
5月5日
10:50

2-0
5月5日
13:20

0-6
5月3日
14:10

0-4
5月4日
11:40

0-6
-
5月4日
14:10

0-3
5月3日
11:40

0-0
6
1
1
4
4
-17
5
WinKIT
(金沢工業大学)
5月3日
12:30

3-0
5月4日
10:50

0-7
5月5日
11:40

5-1
5月4日
15:50

0-3
5月4日
14:10

3-0
-
5月3日
15:00

6-0
6
4

2
12
6
3
Future Vision
(福岡大学)
5月4日
12:30

1-0
5月5日
10:00

0-10
5月4日
10:00

0-2
5月5日
12:30

0-5
5月3日
11:40

0-0
5月3日
15:00

0-6
-
6
1
1
4
4
-22
6


中型リーグ試合講評

中型リーグにはロボカップが始まった当初から参加している. 車輪型の自律ロボットを複数台使って協調的な動作をするという目的のために,サッカーを一題材として扱っている. 今年はフィールド拡大に伴い,これまでのカメラでは全体が見えないので,新しくカメラを追加し, 種類の異なる2台のカメラからの画像情報を元に動作判断をするという問題に取り組んでいる. 現在技術開発の途中なので,試合の勝負に結びついていないのが残念である.

広くなったフィールドでははじめての大会. 我々が使ってきた全方位視覚では場所によっては2つのゴールを同時に見ることができず そのため自己位置を計算できなくなった. そのため単眼カメラ(USB)を追加したのであるが, そのUSB通信がうまく行っていない模様でうまく画像データを取得できない. その他にも無線LAN通信の問題もあり,調整の遅れを感じる.

この会場は,雲の移動に伴い明るさが変わるのでその画像パラメータ調整に問題があるのかもしれない. 画像情報を使ってロボットを動かす時に面白いことは, 照明条件が変わるとプログラムは全く同じでも動きが全く異なることである. 逆に言うと,画像情報に依存しているロボカップの世界では, 画像処理技術および画像認識技術のレベルを上げないといけないと言うことになる.

試合では 自殺点やそれに近い失点が多く,自滅状態である. しかしながら,試合が進むにつれて,動きが改善されてきており, 画像情報をうまく利用でき始めているという兆しが見えた, 大会中の懸命の作業の成果が出てきているということである.最終日には努力の成果が得点という形で表れ,少しであるが苦労が報われた感じである.

なお,教員の松元は中型リーグの運営責任者であり,大会前から実施の準備を進め,大会中も,審判の手配やルール確認, 大会本部との交渉,無線LAN関係の管理,試合の中継・解説,結果のとりまとめなどを担当した. 大会3日間すべての試合の解説を休みなく担当し,大会の成功に貢献した.


ヒューマノイドリーグの結果

研究室に年度末に導入された富士通製ヒューマノイドロボットHOAP-3を使っての, 初のヒューマノイドリーグへの参戦.
今後の布石となるよう,とにかく参加して経験を積もうという試みで参戦した.

初日:テクニカルチャレンジ
 ドリブルや障害物回避と言った規定競技を各チームごとに行う.
 世界大会に過去3回優勝しているTeam Osakaを除けばほぼ団子状態で,我々は6チーム中同率3位.

2日目:予選リーグ
 過去世界大会3連勝の強豪のTeam Osakaと同じリーグに入る.しかしながらそのチームからなんと1点をもぎ取る!ただし失点も11で,結果は予選敗退

テクニカルチャレンジの結果

チーム名 障害物回避 ドリブル パス 合計ポイント
JEAP - - 0 0
demura.net 0 - - 0
Darmstadt Dribblers 7 (27"28) - 0 7
The Orient 0 - - 0
Team Osaka 10 (17"96) 10 (4'51"97) 0 20
CIT Brain & Hajime 0 - 0 0

予選Aグループの試合の結果

チーム名 チーム名 試合の結果 ポイント
Jeap TeamOsaka 0-7 0-3
TeamOsaka The Orient 11-1 3-0
The Orient Jeap 0-0 1-1

予選Aグループの順位

順位 チーム名 ポイント 得点 失点
1 TeamOsaka 6 18 1
2 Jeap 1 0 7
3 The Orient 1 1 11

シミュレーションリーグの結果

チーム名NCL07(中林グループ)

参加22チームを3つに分けた予選リーグでは見事1位通 過したが,準々決 勝リーグで惜しくも決勝トーナメントに進めず,5位-10位決定戦に進む.そこでは力を発揮し見事5位に輝いた. 全試合の結果はこ ちら

(参加者たちによる別報告がなされる予定)


あとがき

ロボカップに参加する意義はたくさんある.学生たちは高い技術的目標とモチベーションを得ることができ,また他大学の技術開発の現場を見る(体験す る)ことができる.他大学,特に有名大学との試合に勝つことで,学生たちは「自分たちもやればできるんだ」という自信を持つこともできる.勝ち負け以外に も,画像処理や個別の動作制御といった観点で目標としたものを実現することで達成感を味わうことができる.こういった実体験は,今後別の問題に直面した時 に,問題解 決の糸口を見出すための方策として大きな「糧」となるであろう.学生たちにとってこの上ない教育効果をもたらすものであり,大学側でこの点を評価していた だいて 昨年に引き続き大会参加のために支援をいただいたことに対し,大変感謝している.なお,この活動は文部科学省大学教育高度化推進特別経費において「サッ カーロボット開発を通じての高度技術者教育」という内容で補助金を得ていることを付記しておく.

なお,大会には大学ガイド(通称ムーミン)および機能ロボティクス学科のパンフレットを持参した.共に持参したものはすべて配布し終わり,大学の広 報宣伝に大きく寄与したものと思われる.特に学科のパンフレットはサッカーロボットが表紙にあったので,観客の興味を惹いていた.

また準備日の5月2日の17:40から,NHKの関西ローカル番組「もっともっと関西」にロボカップ準備風景が7分間紹介され,その冒頭で筆者が中 型リーグのロボットを紹介し,その映像が関西地区に流れた.全国版でないのが惜しいが,大学名もテロップに出たので,宣伝効果が期待される.


編集: 松元明弘(工学部機能ロボティクス学科)