The Orient: 東洋大学ロボカップチーム

ロボカップ ジャパンオープン 2006 北九州大会報告



結果ダイジェスト: 

東洋大学チームの成績(最終順位)

大会全体の公式記録は, RoboCupジャパン オープン2006北九州大会の公式ホームページ を参照して下さい.

最終更新日 2006-05-09  

The Orientチームの概要

遠征日程:

5月2日(日) 出発,準備作業
5月3日(火) 準備作業
5月4日(木) 大会1日目
5月5日(金) 大会2日目
5月6日(土) 大会3日目
5月7日(日) 帰途

チームメンバー(人間)

チームメンバー(ロボット)

番号 名前 ポジション 主担当者

白虎
GK,DF
荻野

黄龍(俊輔)
FW
前田

朱雀
MF
錦織

青龍
MF
錦織

麒麟(中田)
FW
金本

玄武
DF
高橋F

RoboCup2005中型機リーグの概要

期間: 2006年5月4日〜6日
場所: 西日本総合展示場(北九州市小倉北区)
参加チーム: 中型リーグは7チーム(全体はかなり多い.特にJuniorが多い)

試合方式:

今回の主なルール変更と確認事項:


試合結果

チーム名
Soromons
EIGEN
WinKIT
DIT-RC
Orient
Trackies
Hibikino
試合数
勝ち
引分け
負け
勝ち点
得失差
順位
FC-Soromons
(福井大学)
-
5月4日
10:00

0-3
5月6日
10:00

0-10
5月5日
10:00

0-3
5月6日
12:30

0-7
5月4日
13:00

0-4
5月5日
14:00

0-14
6


6
0
-41
7
EIGEN
(慶応大学)
5月4日
10:00

3-0
-
5月5日
15:00

1-2
5月4日
14:00

11-0
5月6日
15:00

2-0
5月5日
12:00

3-2
5月6日
11:30

2-2
6
4
1
1
13
+16
2
WinKIT
(金沢工業大学)
5月6日
10:00

10-0
5月5日
15:00

2-1
-
5月4日
11:00

4-0
5月4日
15:00

7-1
5月6日
13:20

0-3
5月5日
11:00

0-4
6
4

2
12
+14
3
DIT-RC
(大同工業大学)
5月5日
10:00

3-0
5月4日
14:00

0-11
5月4日
11:00

0-4
-
5月5日
13:00

0-7
5月6日
10:50

0-6
5月6日
14:10

0-15
6
1

5
3
-40
6
The Orient
(東洋大学)
5月6日
12:30

7-0
5月6日
15:00

0-2
5月4日
15:00

1-7
5月5日
13:00

7-0
-
5月5日
16:00

5-3
5月4日
12:00

0-7
5
3

3
9
+1
5
Trackies
(大阪大学)
5月4日
13:00

4-0
5月5日
12:00

2-3
5月6日
13:20

3-0
5月6日
10:50

6-0
5月5日
16:00

3-5
-
5月4日
16:00

0-5
6 3

3
9
+5
4
Hibikino-Musashi
(九州工業大学,他)
5月5日
14:00

14-0
5月6日
11:30

2-2
5月5日
11:00

4-0
5月6日
14:10

15-0
5月4日
12:00

7-0
5月4日
16:00

5-0
-
6
5
1

16
+45
1

順位

1位 Hibikino-Musashi(九州工業大学・北九州市立大学)
2位 EIGEN(慶応大学)
3位 WinKIT(金沢工業大学)
4位 Trackies(大阪大学)
5位 The Orient(東洋大学)
6位 DIT-RC(大同工業大学)
7位 FC-Soromons(福井大学)



試合風景

準備風景

試合詳細


第1戦 5月4日12:00
vs Hibikino-Musashi (九州工業大学,他)
0-7
得点者 なし

初日のためかどのチームも特に動きがよくない. この会場は天井のすりガラス越しに日差しがはいるため,雲が通るたびに暗くなったり明るくなったりする.明るくなると黄色(ゴール)とオレンジ(ボール) が区別がつかなくなっているし,暗くなると青と黒の区別がしにくくなる.この影響はどのチームにもあり,各チーム画像調整に苦しんでいる.

さて我々の対戦相手のHibikino-Musashiは地元の期待と支援を受けているチームである.自然と観客が集まってくる.Orientは全体的に 前めのポジショニングになっているが,画像で判断する自己位置の計測誤差で前めにポジションするのか? 決して意識しての攻撃的フォーメーションという訳ではなさそう.相手はスローインからのシュートでゴールイン. スローインは間接フリーキック相当であるが,ワンタッチしたためゴールと認められとなり0-1. その後我がGKが不調で退場し(これも画像調整と思われる),ゴール前ががらがらの状態が続く. 代わりにゴールを守るDFが飛び出してゴール前が空いたところを押し込まれて失点.前半は0-2.

後半は開始早々にGKが相手のドリブルを避けてしまい失点.その後GK退場.そのすきにさらに続けて失点.ボールが認識できない局面が多いようである.ス ローインからのパスをドリブルで押し込まれてまた失点.得点の欲しいところだが,逆に前と同様な展開で失点.ほとんどすべての失点はリスタートからであ る.最終的に0-7で敗退.地元サービスの試合であった(苦しい言い訳).学生たちはよく動いているし,ロボットも退場が少なく動いているが,画像認識と フォーメーションの設定に問題があるようだ.


第2戦 5月4日16:00
vs WinKIT (金沢工業大学)
1-7
得点者 黄龍1

開始早々に失点.再び先が心配になるが,ロボットたち5台は退場することなく動作.新作のキック機構を搭載した2番(黄龍)が初得点で1-1の同点とす る.試合としては今日のこれまでの試合よりおもしろくなってきた.今度は調整が進んできたようである.前の試合後の短い間に調整してきたのは経験のおかげ か(だったらもっと早くやっておけば...).その後,相手と交錯してスキができたところをシュートされるケースで2失点.最大速度設定の問題なのか,急 停止できない.GKまで飛び出す攻撃的な姿勢のためかゴール前が空くことが多く,そこをつかれて,前半は1-5で終了.

後半も交錯からスペースが空いたところをシュートされぽんぽんと2失点.しかし後半中盤から試合は膠着状態になる.試合時間が長くなったのは試合展 開に影響がある.スロースターターの我々にはいいのかもしれない.しかしながらチャンスをものにできず得点を取れないまま試合は終了.0-7.厳しい一日 であった.初日が終わって暫定順位5位.このような苦しい状況を体験するのもいいことだ.この状況から何をつかむかが大切.明日からの挽回を期待したい. ロボットはなかなか思ったように動いてくれないのが特徴.だからうまく動いたときはうれしい.ここがロボット学の面白いところだと思う.読者の皆さん,ロ ボット学にずいぶんと人間くささを感じませんか?


第3戦 5月5日13:00
vs DIT-RC (大同工業大学)
7-0
得点者 朱雀3,青龍1,白虎3

2番のプレーヤー(黄龍,通称は俊輔)不調によりベンチスタートで5台でスタート.相手が4台なのでいずれにせよ5台までしか出場できない.相手が 時々退場するので数的優位が続き優勢に進める.しかし会場内の何かをボールやゴールと誤認識しているらしく,ポジショニングがおかしい.天井からの光が明 るくなったり暗くなったりするのが影響していると思われる.3番朱雀がゆるゆるとドリブルしゴールに向かう.がら空きのゴールに一直線に行かないところが もどかしいが,なんとか押し込む.同じような状況で再び朱雀が得点.前半は2-0で終了.

後半は6番玄武が入場できないまま4台で始まる.相手は数がもっと少ない.3番朱雀が中盤でキックしたのがそのままロングシュートのようにゴールイ ンする.3-0.4番青龍が味方とボールを取り合いながら進み,ドリブルで押し込む.4-0.1番白虎がゆらゆらと前後に動きながら少しずつドリブルし相 手GKに当てたあとゴールに押し込む.5-0.同様に1番白虎がさらに2得点.7-0で終了.点数から言うと快勝であるが,はらはらさせられ,またもどか しい感じの残る試合だった.しかし勝ちは勝ち.やはり勝たなくては明日への活力が生まれない.


第4戦 5月5日16:00
vs Osaka Univ. Trackies (大阪大学)
5-3
得点者 黄龍4,白虎1

直前の試合で不具合があった2番黄龍(俊輔)を投入し,前半は3番朱雀がベンチスタートで,5台で開始.我々のロボットの大きさだと最大5台までし か試合に出場できない.開始3分,2番黄龍が相手ゴール前でGKとDFの間を押し込んで得点.1-0.双方のロボット共に大型で重量級でありあちこちでぶ つかり合いが続く迫力ある試合.自陣ゴール前での攻防が続き,最後は押し込まれて同点.1-1.

後半は6番玄武ベンチスタート.どのロボットも動きがよい.迫力ある攻防が続くが,中盤で空いたところを1番白虎がロングドリブルで相手ゴールに迫 りGKともみ合いながらも押し込む.2-1で勝ち越し.直後に2番黄龍がドリブルシュートで得点.3-1.続けて失点し3-3の同点.相手は不調退場で2 台となり数的優位が出る.一時は相手は1台だけのこともある.ただし相手がいないとFKの時に直接ゴールを入れることになりこれは得点として認められない ので,数的有利であることを単純には喜べない.2番黄龍が再び相手GKともみ合って押し込んで勝ち越し4-3.続いて黄龍が得点し,5-3で試合終了.タ フな試合であったが,この勝利は素直に喜ぼう.2日目を終わって暫定順位4位に浮上.


第5戦 5月6日12:30
vs FC-Soromons (福井大学)
7-0
得点者 黄龍2,朱雀3,白虎1,青龍1

前日までと違って曇り空.試合直前から雨が降り始める.全体的に暗めではあるが光の条件の変化が少ないので,昨日までより画像処理のための照明条件 はよいと言える.さて相手が3台しかいないので,こちらはプラス1台の4台でスタートとなる.5番麒麟(中田)と6番玄武がベンチスタート.ほぼ相手陣地 での展開である.相手はすぐ不調ロボットを退場させ2台となる.数的優位と言えるが,昨日と同様に,相手が寄ってこないので(動かない?),FKから直接 ゴールに入れることとなりゴールが有効とならない.この繰り返しが何回も起きる.もどかしい.2台のうち1台はおそらく全く機能していないように見える が,試合展開に関係ない場所なのでワンタッチの標的にもならない.その後相手が復活して3台になったら,ボールにタッチする機会が増え,結果として歓迎す べき状況になる.2番黄龍がドリブルで押し込んで得点が認められる.1-0.次は3番朱雀が同様に押し込んで得点.2-0.前半はこの状態で終了.

後半も4台スタート.開始早々相手のキックオフからこぼれたところに1番白虎がすばやく寄り押し込んで得点.3-0.直後に2番黄龍がゴールに割っ て入って得点.4-0.しばらく相手陣地での膠着状態が続いた後,ゴールキックのこぼれたのを4番青龍が得点.5-0.3番朱雀がドリブルし,キックが空 振りになりながらもゴールに押し込む.6-0.終了直前に同様な展開で3番朱雀が再び得点.7-0で試合終了.じれったい感じが残るが,ともあれ勝ち.相 手の不調に助けられた勝利.


第6戦 5月6日16:00
vs EIGEN (慶応大学)
0-2
得点者 なし

今大会中型ロボットリーグ最終戦.東洋は勝てば3位,引き分ければ4位,負ければ5位という試合.相手慶応も勝てば2位,負ければ4位という順位争 いの試合.試合開始が近づくと学生の顔が紅潮してくる.普段のんびりしている我が学生たちもさすがに緊張しているようだ.いい顔である.さて試合は4番青 龍がベンチスタートで東洋5台,相手慶応は6台でスタート.双方ともよく動いているように見え,大型でスピードが速いためぶつかり合いもあり,迫力のある 試合である.最終戦のせいか観客も多い.自陣での守りが続くがよく守る.自陣ペナルティエリアに2台以上が入りillegal defense反則となりゴール前からの相手FKとなる.しかし直接ゴールが入るような戦略により失点を防ぐ.慶応が攻め,東洋が守るという展開で,白熱 した試合.ボールの取り合いの末に相手3番が2台のDFの間に割り込み失点.0-1.引き続き自陣での守備が続くが耐え忍ぶ.前半は0-1で終了.

後半は東洋の反撃が始まりどちらかというと相手陣地での攻防で始まる.双方のチームもreferee boxからのスタート・ストップ信号によって動き出し・停止が見事で,見ていて心地よい.サッカーらしい試合である.中盤から自陣での攻防に移る.東洋は 必死のディフェンス.相手にすばやく寄るディフェンスで見事であるが,ペナルティエリアに2台以上のDFが入り,illegal defense でゴール前FK.相手は今度は2台でボールを奪い合うようにドリブルしてゴールイン.0-2.痛い失点である.相手ゴール前にすばやく走りこんだ5番麒麟 (中田)が相手GKを割って入ろうとするがボールはゴール前を横切り惜しくもゴールできない.その後も負傷退場などが続きはらはらする.手に汗握る攻防が 続くが結局その後得点も失点もなく,試合終了.2-0で惜しくも敗れる.しかしながら客観的に見ていい試合であった.観客もきっとそう感じたはずである. 学生皆さん,よくやりました.お疲れ様.なお,慶応とは昨年の世界大会でもいい試合をしたが,0-2で敗退.なかなか慶応に勝てない.6月の世界大会では 慶応に勝って上位に食い込みたい.


大会を終了して,最終的には3勝3敗で,勝ち点9で大阪大学と並んだが,得失点差で劣り5位に終わる.


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written by Akihiro MATSUMOTO
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